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個別記事の管理2009-05-29 (Fri)
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 あるところに、ローラとリジーという姉妹がいました。。。

 毎日毎日。。。
 ゴブリン(小鬼)が彼女達を呼ぶ声が聞こえてきます。。。

 「おいで。。。おいで。。。」

 ・・・と。。。 


 それは、「ゴブリンがフルーツを売りにくる」。。。という形で
 表現されています。。。


 ある日、そのゴブリンのフルーツを、姉のローラはとうとう
 食べてしまいます。。。

 ローラは、その味が忘れられなくなり、その虜になってしまいました。。。
 そして、もう一度それを食べたいと願い、毎日ゴブリンの呼び声を
 待つのですが、ローラには、もうゴブリンの呼ぶ声が聞こえません。。。

 そのフルーツを食べなかった妹のリジーには、相変わらずその声が
 聞こえてきていましたが。。。
 
 ローラは、リジーから「もう食べてはいけない。」と言われ、とうとう
 病気になってしまいます。。。


 可愛そうなローラを救うため、妹のリジーはゴブリンの元へ向かうのです。。。

 リジーは、ゴブリンに踏みつけられ、爪で引っかかれ、吠えられ、脅され、
 服を引き千切りにされ、その毛を根こそぎそがれ。。。

 それでも、彼女は耐えました。。。
 ローラのために。。。


 イギリスの詩人クリスティーナ・ロセッティの「Goblin Market」より
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個別記事の管理2009-06-12 (Fri)
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 ネットで本棚を作ろうと思ったことがキッカケで、今、思い出したように
 いろいろ読んでますが。。。
 やっぱり、アーサー王伝説はおもしろい。。。

 どれもみんな面白いのだけど、トリスタンとイゾルテのお話は。。。
 毎回なんだか、泣かされます。。。


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個別記事の管理2009-06-13 (Sat)
 昨日、「トリスタンとイゾルテ」の物語を読んでから。。。
 何となく、物悲しいような。。。
 
 そんな物思いに浸っています。。。


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 私が好きな物語、「シリウスの伝説」の中に流れる主題は、
 シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」に似ています。。。

 そして。。。
 そのシェイクスピアは、この「トリスタンとイゾルテ」に着想を得て。。。
 ロミオとジュリエットを書いたそうです。。。


 このトリスタンとイゾルテのお話も。。。
 元々はケルト神話を変形させたものです。。。


 「イノシュとディアドラ」。。。
 「ディルムッドとグラーニャ」。。。


 先日。。。
 ケルト神話って、「スーフィーの物語」と同じだね。。。


 ・・・と、そんなお話してたのだけど。。。


 なんだか。。。
 昔から変わっていない私達に。。。
 こういった物語たちは、何かを訴えてくるような気がする。。。


 トリスタンとイゾルテのお話を読むのは、昨日が初めてじゃないのに。。。


 今回はなんだか。。。
 妙に悲しくなった。。。
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個別記事の管理2009-06-13 (Sat)
 あれはまだ、小学校の4年生か5年生くらいの時。。。
 
 バレエの先生が所属していたバレエ団の公演。。。
 それを観にいくのを心待ちにしていたのに、私は当日、熱を出して学校を
 休んでいました。。。

 母が、「今日はもう無理だから。。。」・・・と、バレエ関係のお友達のお母さんに
 電話をかけようとしました。。。
 もし余っていたらチケットを譲って欲しい。。。と言っていた人がいたからです。。。

 私は、悲しくてずっとベッドで泣いていたのだけど、でも仕方ない。。。と。。。
 母が電話をするのをじっと聞いていたのだけれど、でも、どうしても途中
 我慢が出来なくなって。。。

 「やっぱり行く!!!どうしても行く!!!!」

 ・・・と、気づけばベッドから這い出してきていたのでした。。。


 その時観にいったのは、「バフチサライの泉」。。。


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 当時の私には、お話の内容は、全く理解できませんでした。。。
 でも。。。
 大人になってその物語を読み直したとき。。。
 どうしてももう一度観てみたい。。。と、そう思ったのです。。。


 「トリスタンとイゾルテ」の余韻に浸っていたら。。。
 ふとそんなことを思い出し。。。


 今はその気になれば、YouTubeでいつでも観れるので便利ですね。。。


 バフチサライの泉とは。。。
 ロシアの、アレクサンドル・プーシキンという詩人が書いた詩物語です。。。
 それは、皇帝から追放処分を彼が、ある時、クリミア半島の旧都、バフチサライを訪れ、
 そこで見聞きしたことを元に創りあげた詩なのだそうです。。。 

 16世紀に建造されたという、バフチサライの宮殿。。。
 この、イスラム教徒の宮殿には、「涙の泉」と呼ばれる噴水が
 あるのだそうです。。。


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 これは当時のクリミア・ハン国の汗が、思いを寄せていた異教徒の女奴隷の死を悼み、
 涙を流す噴水として作らせたものなのだそうで。。。

 プーシキンは、そこからこの。。。物語を創っていったそうです。。。

 詩の一部。。。(ウィキより)
 
 
 うつろなる目付のギレイは坐しけり
 琥珀の煙管をくゆらせつつ。
 恐れ多き汗(カン)の傍らに
 集う無言の従僕たち。
 音ひとつなき宮殿にて
 みな仰ぎてこそ知れ
 彼の人の陰鬱たる顔に出づるは
 怒りと悲しみならんと。
 されども君主は誇り高し
 荒々しく手を振るや
 一同頭を垂れて立ち去りぬ。


 大広間にただひとり
 ほっと一息つくままに
 なおも険しきその額や
 騒ぐる心を示すらん。
 うす暗き嵐の雨雲の
 入り江の水面に映ゆるごとく。



 バレエ作品としては、1934年にレニングラード・国立オペラバレエ団(今のマリインスキー
 バレエ団)がプロローグ・エピローグつき4幕構成で初演したようです。。。


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 ストーリを簡単に。。。

 *1幕 

 ポーランドの貴族の娘マリアは、誕生日のパーティを同じく貴族で
 婚約者のヴァーツラフと楽しんでいました。
 そこへタタールの王ギレイ・ハーンが軍を率いて襲撃。。。
 マリアが暮らしていた城は炎上。。。
 マリアを守ろうとしたヴァーツラフは、ギレイに殺されてしまいます。。。


 *2幕

 バフチサライの宮殿、ギレイ・ハーンのハーレム。
 帰って来たハーンを妻と妾達が歓待するのですが、彼はマリアばかりを
 見ている。。。
 略奪されたマリアは、ハーンからの愛を頑なに拒みます。
 彼の愛妾ザレマは、ハーンの気持ちを取り戻そうとするのですが、
 ギレイは、ザレマに関心を払おうとしませんでした。。。


 *3幕

 マリアの寝室。
 監禁されたマリアはハープを弾きながら、今は亡き愛しいヴァーツラフを
 思い出して悲しんでいます。
 ギレイ・ハーンは自分の愛と富を受け入れるよう懇願するのですが、
 マリアは彼を怖がり、反発します。

 ハーンの愛妾ザレマはマリアの寝室に忍び込み、自分がどんなに
 ハーンを愛しているかをマリアに話し、身を引くよう強く説得します。。。
 マリアはザレマの言葉がよく理解できない。。。
 しかし、ギレイを返して欲しいと懇願するザレマにマリアは憐憫を感じ、
 慰めようとするのですが、嫉妬に狂ったザレマは剣を振りかざします。。。

 
 *4幕

 ギレイ・ハーンの宮殿中庭。
 ギレイは戦士や奴隷に囲まれ、マリアを殺したザレマに死を要求する。
 そして、ザレマは高い崖から突き落とされて殺されてしまいます。。。

 処刑場に連れて行かれるザレマの姿も、もう彼には何の感情も起こさない。。。
 ギレイの追想のなかにマリアの幻影が、気高く不屈の精神を漂わせながら、
 あらわれては消えるのでした。。。
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個別記事の管理2009-06-14 (Sun)
 アーサー王に出てくるサー・ガウェイン。。。
 いろいろあって、世にも醜い女性と結婚しなければいけなくなりました。。。

 けれど、この女性には魔法がかけられていて本当は、この世のものとは
 思えないくらいの絶世の美女。。。

 ガウェインが自分と結婚してくれたことで魔法の半分がとけた彼女は。。。
 彼と二人きりになったその夜。。。
 美しい姿を彼の前にあらわします。。。

 彼女は、まだ魔法が半分残っているので、一日のうちの半分だけしか、
 その美しい姿に戻ることが出来ません。。。
 そこで彼女は、ガウェインにこう言うのです。。。

 「昼間美しく夜醜いか、夜美しく昼間醜いか。。。
  どちらにするか、あなたが選んでください。。。」

 ・・・と。。。


 このお話を主人と娘に話した後に、「どっちを選ぶ?」と聞いてみました。。。


 主人。。。

 「そりゃぁもちろん、夜に決まってるだろ~」

 娘。。。

 「う~~ん。。。
  どっちでもいいけど。。。でも、女の人なんだから、昼間綺麗なほうが
  いいんじゃないかなぁ。。。」


 ガウェインは。。。というと、最初は彼も、主人と同じように答えたのです。。。


 「私と二人きりの時に美しい方がいい。。。」


 けれど、ガウェインのその言葉を聞いた花嫁は。。。

 「王妃様の美しいとりまきに囲まれながら、私は醜い出来損ないの
  姿で過ごさなければいけないのでしょうか。。。
  あの方達の軽蔑と憐れみに耐えなければいけないのでしょうか?
  あなたの愛は、そのようなものなのですか?」

 ・・・と言いました。。。 

 そこでガウェインは初めてハッ!!!と気づいて。。。
 
 「私は、自分のことしか考えていなかった。。。
  だから、昼に美しくいてくれればいい。。。」

 ・・・と答えます。。。
 すると花嫁は、今度はこう答えます。。。


 「でも本当は私は、宮廷で美しいともてはやされるよりも、
  あなたのために美しくいたい。。。わたしにとっては何よりも
  あなたが大切なのです。。。」


 ガウェインは最後には。。。


 「では、あなたが決めなさい。。。
  一番苦しむのはあなたなのだし、女であるあなたの方が、そういうことに
  関しては知恵がまわるだろう。。。
  あなたがどちらを選んでも、私は満足だ。。。」


 ・・・と。。。
 ガウェインのこの言葉で、花嫁の魔法はすべてとけたのでした。。。


 この出来事の発端となったアーサー王の冒険で、アーサーは
 ある魔法の騎士から、有名なあの質問を受けます。。。


 「あらゆる女がもっとも望むものは何か?」


 この答えを。。。
 アーサー王物語を読んだことがある人は知っていると思います。。。


 昔読んだ時は「面白い!」としか思わなかったのに。。。
 今読むと、「なんか。。。すごい深いなぁ。。。」と、唸ってしまうくらい。。。(笑)


 主人と娘にした質問を。。。
 私は迂闊にも、そばにいた息子にするのを忘れてしまっていました。。。
 なので、彼にもしてみたのだけど。。。
 お話を最後まで聞いてしまったあとだったので、息子は。。。


 「俺だったら、あなたの自由にしなさい。。。って答えるよ。。。」


 ・・・と、いたずらっ子の目で笑いながら言うのでした。。。


 それを聞いた私達は。。。
 一同。。。大笑い。。。(笑)

 でもそのあと、娘がこんな話をしていました。。。


 「ママ、学校の先生は言うんだよ。。。
  高校の面接試験の時、一番大切なのは見た目だって。。。
  どんなに内面が素晴らしくても、面接では見た目が悪ければ
  一発で落ちますよ。。。ってね。。。」


 こんな時私は。。。

 「そうなんだ。。。いろいろ考えちゃうね。。。」

 ・・・としか言えないんだけどね。。。
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個別記事の管理2009-06-20 (Sat)
 岡野玲子さんの『コーリング』を読み返していました。。。

 原作は、『妖女サイベルの呼び声』という物語です。


 気になったところをメモしておこうと思います。




 確かに私はあなた方の世界では無知かもしれない。。。
  でもここは私の領内。。。
  愚かなのはあなたの方だわ。。。


 この子を愛してくれますか?
  それがこの子には一番必要なものなのですが。。。


 愛というものは、まず手に入れてからでないと
  与えることは出来ないぞ。


 私の祖父にあたるサールの領主ステスの7番目の息子には
  7人の息子が生まれて、私はその末っ子です。


 「この世の知恵をすべて授けてやったら、お前は何をくれる?」

  「何も。。。お前はあらゆる謎に対する答えを知っているそうだが、
   ただひとつ、答えられない謎がある。
   私が知りたいのは、そのひとつの答えだろうな。。。」

  「賢明なものは、己が答えてもらいたい謎くらいは知っているものだがね。」

  「それから。。。謎と答えは表裏一体だということもね。」


 ドーンの領主が魔女グロウァーから敵を倒すための死の呪いを
  授かった時、夜よりも暗い影がひとつ彼の傍らにぴったり寄り添って
  立っていた。。。


 「彼女の目は闇を通して見ているぞ。」

  「知っている。私は何一つ隠し立てはしていない。」

  「根は闇の中で育つものだ。」

  「そうだな。だが私は根が育つように闇に隠れて考えごとはしない。」


 「巨人グロフは小石を片目にくらったが、その目は裏返り
  彼の心の中を見た。
  グロフはそこに見たものが原因で絶命した。」


 危機を超えて得たものは、美味ではなかったかね?


 マインドの体験というものは、人には計り知れぬものだ。
  人とは分かち合えぬ。


 「私の中に白い翼の誇り高く気性の激しい鳥が住んでいます。
  いつも輝く星と太陽を求めて気ままに空を羽ばたいているのです。
  あなたがお望みなら、その鳥は捕まえて鳥かごに入れておきます。
  ただ、生かしておいてください。。。殺さないで。。。」

  「わたしはこういうことにかけては無力なのだ。
   私を見ないでほしい。。。
   おまえが欲しいくせに、おまえが恐ろしい。。。
   その白い鳥が恐ろしいのだ。。。」

  「約束します。。。約束しますから!」

  「わたしは配下にあるものを恐れ、いつも戦々恐々としてきた。
   領主たちには脅かされ、愛する者には裏切られ。。。
   恐れを抱かずに真実を語れる相手もいなくなってしまった。。。

   私は孤独だ。。。

   おまえならば愛することもできようし、信頼することもできよう。
   だが、そのためにはまず、お前に対する不安を取り除かねば。」

  「愛する者に不安を抱かずにいるなんて不可能です。
   相手が自分を傷つけないという確証なんてありません。。。
   たとえ、相手があなたを愛していてもです。

   どうか、解ってください。。。あの白い鳥は、サイベルです。
   あなたがあの鳥を殺せば、私は死にます。
   代って魂のないものが私に宿るでしょう。
   亡霊が、あなたを愛するのです。。。

   信じてください。。。」


 あの王は、今にひざまずかせてやる。。。
  私をひざまずかせたように。。。


 また、あの黒い誘惑。。。
  私を負へ。。。負へと導く。。。


 闇がわからない?そうだ、おまえの闇はまだ蕾だ。。。
  花開かせるがいい。。。


 お前が私を恐ろしいと思うのは、私をよく知らぬからだ。。。
  お前がお前自身を知らぬように。。。
  お前はお前自身の、本当の美しさも本当の力も、その心の中の
  本当の恐ろしい部分も知ってはいまい。。。サイベル。。。

  心の中の恐ろしい部分は、知ってしまえばあでやかな宝石のような
  ものだ。。。
  お前は月なのだよ。。。星々に囲まれた。。。
  この星々の秘密を知りたいとは思わないかね?


 「お前が生涯で最も望んでいたことではなかったのか?
   ノレルの復讐だ。」

  「確かにそう思っていた。。。
   しかし、それを考えるエネルギーを今は生きているもののために
   使いたい。。。
   ぼくは彼女のために全てを放棄した。」


 「このことで巻き添えになるものが二つある。。。
   コーレンの愛とタムの愛だ。。。
   あんたはそれを賭けるつもりなのか?」

  「賭けは承知です。。。これで身を滅ぼすことも。
   そのあげく、私はこの世で最も大切なものを二つ失うでしょう。
   でも何もしなくてもこの屈辱のままに、私は身を滅ぼします。
   私は決意をお話したのです。」


 許せない!許せないのよ、どうしても。。。
  私を破滅させようなんて!!


 「あなたやタムやコーレンに会えたからこそ、私は知識を
   超えた愛や歓びを知ったのよ。」

  「あたしが教えたわけじゃない。
   おまえさんの優しさや愛は、おまえさん自身の資質なんじゃよ。」

  「でも今ほど自分が自分らしかったことはないの。
   私の中にぐんぐん高揚していくものがあって、おまけにそれを
   恐いとも思わないの。
   それは私の中の手につけられないドラゴンのよう。
   暗黒の空を飛ぶのよ。
   そして、心ゆくまで飛んだら。。。私の中に巣食うそいつはとぐろを
   巻いて眠り。。。
   私は全てを忘れるわ。」  

  「そうかね。。。サイベル。。。それもおまえさんの資質なんだよ。。。」


 「サイベル。。。あなたは恨んで当然だったのですよ。」

  「優しいのね、タム。
   でも、愛する人や自分自身を傷つけてはいけなかったのよ。
   こうして生きてはいるけれど、私の中には何も残っていないわ。」


 あなたがたとえ僕にひどいことをしたとしても、僕は
  変わらずあなたを愛したと思う。。。
  だって僕は、あなたを愛さずにはいられないのだもの。。。



 抜粋してたら、こんなにたくさんになってしまいました。

 でも最後の最後の部分は。。。
 すごすぎたので、ここでは書くのはやめます。。。
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個別記事の管理2011-09-02 (Fri)
 
マルグリット・デュラスの世界マルグリット・デュラスの世界
(1995/04)
マルグリット デュラス、ミシェル ポルト 他

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 こんな本を読んでみました。。。


 先日、20年ぶりに「ラ・マン」の小説を読んだら、、、
 俄然、彼女に興味がわいてきた。。。

 昔私が彼女に抱いていた印象は、、、

 「自己中心的、意地悪、うぬぼれ屋」

 みたいな、そんなイメージでしたけれども。。。

 この本を読んでいたらそれだけではなく、彼女の
 内側にはもっともっと深い何かがありそうだ。。。と。。。

 そんな気持ちになった。。。

 さすが、、、というか、、、
 彼女は作家なのだから、当たり前と言えば当たり前、、、か。。。


 あんな印象しか持っていなかった当時でさえ、、、
 私はなぜか、彼女のことが好きでした。。。

 でも、「愛人」と「北の愛人」以外は、彼女の小説を
 読んだことはなかったの。。。

 これから少し、彼女のいろんな本を読んでみたいな。。。

 自分がなぜ、こんなに彼女に惹かれるのか、、、
 それを探っていってみたい。。。なんて思ったのでした。


 彼女の観察力や想像力というものは、すごい。。。

 そして私と、、、
 物の見方とか考え方がなんだか似ているな。。。と、、、
 そんな感じがしました。。。


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 そして私が他の女たちのことを語るとき、その彼女たちの
 中に私も含まれている。まるで彼女たちと私が相互浸透
 しているかのように。彼女たちが浸っている時間、それは
 言葉以前の、男以前の時間。

 男は、ものに名前をつけられないとき、まごついたり、
 困ったり、途方に暮れてしまう。男は、話すという病に
 冒されている。女たちはちがう。ここで私が目にする女たちは
 皆、まず黙る。それが、どういうことになるのかはわからない
 けれど、じっと長いこと黙ることからはじめる。



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 私はあなたに音楽についてなんて話せやしない。いつかは
 音楽が恐怖を抱かせるということはきっとなくなるだろうけど。
 今のところは、音楽は恐怖を抱かせる。
 未来が人を怖れさせるようにね。

 たとえば、バッハは自分自身の音楽に対する理解力を持って
 いなかったと思う。私は彼をゴヤと比べることがある。
 絵画に対して並外れた理解力を持っていたゴヤは、実生活では
 愚かでいることしかできなかった。
 私には、ゴヤがそんなふうだったとしか思えない。

 それにね、彼の人生がそのことを実証している。おべっか使い
 だったのよ。彼は、実に素朴な幻想を抱いていて、つまり、
 一生ずっと、小さな男の子みたいに振舞っていたわけ。
 どこかで無感覚にならないと、あんな風に見ることはできない・・・

 あれほどの鋭さをもってものを見ることが出きるのは、
 その鋭さの反響作用を受けない場合でしかないのよ。
 さもなければ死んでしまう。

 バッハがもし自分のしていることを知っていたら、死んで
 いたでしょうね。



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 「ガンジスの女」は私にとって、非常に重要だった映画。
   <中略>
 「ガンジスの女」の声を発見したとき、頭がおかしくなるほど
 苦しかった。そうは言っても、ここは、そもそもが苦悩の
 場所であって、そしてそれがおそらくは私の場所なのだと思う。



 durasu3.jpg


 私はひとり、でも声があらゆるところで私に語りかけてくる。
 そこで・・・
 この溢れ出すような感覚をほんの少し知らせようとしているの。

 長いこと、私は、あれを外部の声だと信じていたけど、
 今ではそう思っていない。
 あれは私なのだと思う。もし私がものを書かなくてもそれは
 私、もし私がもっとよく理解しているならそれも私。
 もし私が女たちを愛しているなら私。もし私が死んでいるなら
 私。もし私がわかっているなら私、私、私、・・・・

 それは誰もが自分のうちに持っている多様性のようなもの。
 すべての人が、すべての女が持っている。
 けれども、その多様性は、押し殺されている・・・

 ひとは概して、ひとつの貧弱な声しか持っていない。
 そして、その声で語る。

 溢れ出ていくべきなのに・・・



 彼女はおそらく。。。
 敵も味方も多かった人なんだろうな。。。と。。。

 そんな感じがします。。。

 私はもちろん。。。
 大好きです。。。こういう人。。。


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個別記事の管理2011-09-30 (Fri)
 パリ・オペラ座の『カリギュラ』を観て、もっと物語を深く知ってみたくなり、
 読んでみました。


 
カリギュラ・誤解 (新潮文庫)カリギュラ・誤解 (新潮文庫)
(1971/01)
アルベール・カミュ

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 カミュは、学生時代に『異邦人』を読んで以来・・・

 まだ10代だった私は、異邦人を読んだらわけも解らず胸が苦しく
 なってしまって、それ以上そこに触れようとしなかった。
 それでも、とても好きだったのだけど。。。

 でも今はもう、ああいった思いに囚われることもなく、
 それを観ることができるようになったような気もします。


 カリギュラというのは、元々戯曲として書かれたもので、
 初演は1945年、エベルト座だそうです。

 その時のカリギュラ役は、あの、ジェラール・フィリップ。


 Gerard_Philipe_1.jpg


 観たかったな。。。
 ジェラール・フィリップ、大好きなのです、私。


 彼は、1940年代の「フランスの美」と称された人。
 そして、「知性の人」といわれていた人だから、、、
 カリギュラの役にぴったりと合っていたのではないのかなぁ。。。

 現に、初演は大成功だったようです。

 カミュ自身は、ジェラールのように外見的に「華」のある人ではなく、
 内面で勝負、、、という意味で、最初は違う俳優を考えて
 いたらしいですけれども。


 繊細で、頭がよくて、本来は優しすぎるくらい優しくて、、、
 そして、人の気持ちが解りすぎるほど解ってしまう。。。
 純粋な人。。。

 そういう人が何かで傷ついてしまった時、カリギュラの
 ようになってしまうことって、よくあるような気がします。


 オペラ座のバレエでは、カリギュラが倒れるシーンでヴィヴァルディの
 四季の中の「冬」が使われていました。

 そのせいで私は、この物語を読んでいる間中、頭の中でその音楽が
 鳴りつづけてしまって・・・


 
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個別記事の管理2011-10-28 (Fri)
 marguerite-duras2.jpg

 なぜ作家について書くのだろう?
 彼らの本だけで十分なはずだ。(マルグリット・デュラス)



 「マルグリット・デュラスの世界」という本を読んだ時、、、
 そのなかに、「ロル・V・シュタインの歓喜」について彼女が
 語っていたシーンがあり。。。

 それで早速それを読んでみたのだけれど、私は途中で、
 その本を閉じてしまった。。。

 「ニジンスキーの手記」を読んだ時と似たような感覚が
 やってきてね。。。

 怖かった。。。と言えばいいのか。。。

 解りすぎてしまうから。。。
 もしそこにはまったら、私はきっと「普通」の生活ができなく
 なってしまいそう。。。みたいな。。。

 エゴの、、、
 防衛反応のようなものが働いた感じがしたのでした。。。


 ロルやニジンスキーは、、、
 私がもう少し、この肉体にしっかり留まれるようになった時に
 読んでみたいと思うのです。。。

 なにせここ数年、、、
 抜けまくっていたからね。。。

 もう少ししっかり繋ぎとめてから。。。ね。


 そのロルの代わりに、「ヤン・アンドレア・シュタイナー」という
 本を読みました。。。


 マルグリット・デュラスという人は。。。
 日本ではそこまでメジャーな作家ではないみたいです。。。

 たしかに彼女のあの「癖」って、、、
 日本人には理解しづらいものがあるのかもしれない。

 でも私は、、、
 なんだか、妙に彼女に惹かれる。。。


 彼女のことを初めて知ったのは、フランス領でもあった
 ニューカレドニアという島で。。。
 それはもう、20年も前のこと。。。

 「愛人」という映画のロードショーでした。。。

 その後日本でその映画を観て。。。
 そして彼女の本をいろいろ読みたくなったのだけれども、
 当時は書店に行ってもそれらがなかなか見当たらなくて、、、

 そのうちに忘れてしまっていました。。。

 ある時テレビから、彼女の訃報を伝えるニュースが流れてきたのを
 たまたま聞いた時、、、
 なんとも言えない気持ちになったけど。。。

 その時は子供たちがまだ小さかった頃で、、、
 私は何も出来なかった。


 「ヤン・アンドレア・シュタイナー」からも、その香りが漂ってくる。
 でもそれは、「ロル・V・シュタインの歓喜」ほど強烈ではなくて、
 ドキドキはするけど恐怖までは感じずにすんだので、なんとか
 最後まで読むことができました。

 もう一度読みたい。。。
 そんな気がしなくもないのだけれど、でも今回は、それは読み返さないで、
 曖昧なままにしておこうと思ったの。。。

 その楽しみはもう少しあとにとっておこうと思う。。。


 その前にちょっと、時間を遡って、、、
 これから彼女の人生を、ゆっくり辿っていってみたいな。。。と。。。

 そんな想いが浮かんできたから。。。


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個別記事の管理2012-01-23 (Mon)
 ウイングメーカー関連の検索をしていたら、こんな本を
 見つけてしまいました。。。


 
ザ・ロープメイカー―伝説を継ぐ者 (ポプラ・ウイング・ブックス)ザ・ロープメイカー―伝説を継ぐ者 (ポプラ・ウイング・ブックス)
(2006/07)
ピーター ディッキンソン

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 「なになにMAKER」って。。。

 そういう言葉に私は弱いのかも。。。^^;


 見たところファンタジー物語のようで、なんといっても娘が
 喜びそうなお話だったし。。。

 風がやんでしまった今、WMの次の『Quantusum』がリリースされるまでは
 なんとなく手持無沙汰だったので、たまにはこういうのもいいかなぁ。。。
 と思ってつい買ってみてしまいました。。。


 「児童文学」に分類されているようでしたが、実際本を開いてみたら、
 大人向けといっても全くおかしくないのでは?という感じで。。。

 娘も言っていましたが、学校の図書室でも、イギリス文学、、、
 特にファンタジー系は、どんなに内容が濃いものでも、そのほとんどが
 児童文学の棚に収められているのだとか。。。


 ファンタジーって、、、あなどれないのにね。。。


 20世紀最大の魔術師、、、と言われたアレイスター・クロウリーは、
 『不思議の国のアリス』を「魔術師の必読書」と言っていました。。。

 それに、モーツァルトのオペラ『魔笛』のお話は、なんだか一見
 喜劇のように見えますけれども、そこにはメイソンの教義が
 ちりばめられていたりとか。。。

 
 解る人には解る。。。とでもいえばいいのか。。。

 物語って、そういうものを伝えるためには恰好のツール
 なのかもしれませんね。

 だからきっと、、、
 リリカスもこのツールをよく使うのでしょう。。。


 『ザ・ロープメイカー』も、ファンタジーの王道である
 「旅」の物語のようです。。。


 まだまだ序盤なので何とも言えませんが、途中「深いなぁ」。。。と
 つい思ってしまうようなところもチラホラ。。。


 主人公のティルヤという女の子が、慣れないいかだを操らなければ
 ならないシーンでのひとコマです。。。


 ティルヤはさおをにぎったのは初めてだったが、手と手首と腕はすぐに
 動きを習得した。<中略>こつは、わずかなずれも絶えず修正して、
 常にいかだをまっすぐ向けておくことで、そうするといかだのほうから
 流れの真ん中を走ろうとした。

 それは、川が曲がるところでも同じだった。難しくはなかったが、
 つまり一時も注意をそらせないということだ。



 それからもうひとつ。。。


 さおと格闘しているうちに、へさきが川下を向くたび、ほんの一瞬、
 いかだがためらうように止まることに気づいた。さおを一度か二度、
 動かすほどのあいだ、そのままゆらゆらとただよってから、またグルグル
 まわりだすのだ。

 そんなふうに一回転しては止まり、またまわってはとまり、といった
 良くも悪くもならない状態を繰り返しているうちに、ふいに、なにも
 していないのにいかだはまっすぐ川下を向いてとまった。

 ティルヤはそのまま慎重に、流れの速い場所に向かって漕ぎ続けた。
 また回転しはじめないように、さおで流れの変化を探りながら進んでいく。
 一瞬、見失ったかと思ったが、さおを力いっぱい押すと、なんとか
 流れに乗り、ティルヤはホッと力を抜いた。
 あとは、変化の兆しを見逃さないよう、前を見ていればいい。



 そういえばいつだったか、、、
 ある人が言っていました。。。


 「人はそれぞれが、自分のレベルで話を理解するからね。」


 ・・・と。。。


 そんなことを、、、急に思い出した。。。


 「レベル」って言葉はあまり好きではないのですが、、、
 でも、言いたいことはなんとなく解ります。。。


 物語って、、、
 久しぶりに読み返した時、以前読んだ時と話の内容が変化していることが
 よくありますよね。。。

 それって結局、、、
 自分自身が変化した。。。ということなのだろうと思うけど。。。


 このお話もきっと、娘と私とでは、全く違う物語になるのかも
 しれない。。。

 でもきっと、それが今の娘や私にとっての真実。。。


 物語を読んで何を感じ、そして何を考えるか、、、


 そこに、、、
 今の自分自身の状態が投影されているのだろうと思います。。。
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個別記事の管理2012-03-05 (Mon)
 昨日、BSの日本映画専門チャンネルの無料放送で、
 『ノルウェイの森』の映画が放送されていました。。。


 この映画が劇場公開になった時、、、
 とても観たかったのだけれども、私は観に行くのはやめて
 いました。。。


 なぜなら、、、
 私の中にある「脳内映画」。。。

 そのイメージを、どうしても崩したくなかったから。。。


 それだけこの物語は、、、胸に残っている作品でした。。。


 
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 私がこの本を読んだのは、たしか18歳とか19歳の頃
 だったと思います。。。


 ちょうど、、、
 物語の登場人物達と同じくらいの歳の頃でした。。。


 しかも、当時、クラスで一番仲良しだった子の名前は
 「直子」で、それに加え、当時のクラスメイトのひとりが、
 精神を病んでしまっていたりもしてね。。。

 この物語の中の直子と同じように。。。

 私はその子のことで、本当にいろんなことを考えさせられて
 いた頃で。。。


 そういう状況もあったせいか、、、
 この作品は、当時の私の胸にやたらと響いてきて。。。

 だから、、、何年経っても、この物語は、、、
 どこかで忘れられないものとなっていたのでした。。。



 映画が公開になった頃、懐かしくて思わず、単行本を
 買いなおしていたのです。。。

 昔のはもう、とっくに手放してしまっていたから。。。

 それなのにね。。。
 私はその、買いなおした単行本を1ページたりとも読まずに、
 そのまままたすぐ、手放してしまったの。。。



 忘れられない。。。と言っても、当時も一度読んだきりで、
 何度も繰り返して読んだわけではないので、細部まで
 しっかりと覚えていたわけではありませんでした。。。


 ただ、、、
 あの本を読んだ時、自分の胸に湧いてきたもの。。。
 その感覚を、ずっと忘れられずにいた、、、ということです。。。


 言葉では表現できないあの感じ。。。
 泣きたくなるような。。。


 その感覚を、、、

 本を読みなおすことで壊してしまうのが嫌でした。。。
 映画を観ることで壊してしまうのが嫌でした。。。


 でも、、、
 昨日、とうとう観てしまったのですよ。。。
 
 「無料放送」という甘い誘惑に勝てずに。。。(苦笑)


 意外と、、、
 細部までちゃんと覚えていたんだなぁ。。。と、、、
 そう思った。。。


 でも、登場人物は誰一人として、、、
 私の中のイメージとは一致しなかった。。。


 でも。。。
 映画は映画でまた、素敵でした。。。


 観終わった後、、、
 特に悲しいわけではないのに、なぜか涙が止まらなくなりました。。。


 私の中の「緑」のイメージとは違ったけど、、、
 緑役の水原希子ちゃんが、すごく良いなぁ。。。って思いました。

 ああいう感じの顔?雰囲気?

 すごく好き。。。

 『レオン』の映画のナタリー・ポートマンとかぶりました。。。


 それと、、、
 昔、中川勝彦さんファンの間で、「玉山鉄二さんが勝ちゃんに似てる」
 なんて言われていた時があったのだけど。。。

 この映画の玉山さんは、、、なんだか本当に、、、妙に似ていました。。。


 
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個別記事の管理2012-03-11 (Sun)
 とても久しぶりに、こんな映画を観ました。


 
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 言わずとしれた、あの「アーサー王伝説」の映画です。。。

 アーサー王伝説の物語を題材にした映画はたくさんありますが、
 私は今のところ、この映画が一番好きで、個人的にいろいろと
 思い入れがあるものだったりします。

 昔の映画なので、最近の映像と比べたら少しちゃちな感じも
 否めなくはないですが、そこがかえって雰囲気を出しているようで、、、
 
 味があっていいのです。。。


 それに映画に出てくるあの景色、あの風景は、、、
 私にとってはもう、第2の故郷?と思わされてしまうくらい、、、
 何とも言えない、懐かしいような気持ちにさせられるのでした。。。


 アーサー王伝説については、私が今更、ここであれこれ語る必要も
 ないくらい有名ですよね。。。

 とてもとても、奥が深い物語です。。。

 深すぎるくらい深い。。。(笑)


 アーサー王物語というものに、初めて興味を持ったのは、、、
 もう、10年以上、、、もしかしたら20年近く前だったでしょうか。。。

 それから、あれやこれやと調べたり分析したりしてきましたが、
 今はなんとなくもう、そういうこともやり尽くした感があって、
 なので、しみじみとじっくりと、ただ物語を楽しむ。。。
 ・・・みたいな心境になってしまった。。。


 アーサー王伝説に関する本って、とてもたくさんありますが、
 純粋に物語を追っているものでは、騎士のトマス・マロリーが
 まとめた「アーサー王の死」。。。その完訳版が出ています。。。
 翻訳は、井村君江さん。


 
アーサー王物語〈1〉アーサー王物語〈1〉
(2004/11)
トマス マロリー

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 これは、古典は古典のままに、、、という感じです。

 正直、、、テンポが古いので、現代人にとっては、
 少々たいくつかも。。。

 全部で5巻までありますが、私は未だにすべて読み通して
 なかったりします^^;

 でも、古いものをそのままの形で残すことも、やっぱり
 大事ですものね。。。
  
 そしてこの本は、何と言っても、ビアズリーの挿絵が
 素敵すぎます。。。


 20121229022513316.jpg


 でも、、、
 アーサー王を初めて読むなら、お薦めはやはりサトクリフです。
 こちらは少し、アレンジされてますけれども、解りやすいし、
 面白いです。


 
アーサー王と円卓の騎士―サトクリフ・オリジナルアーサー王と円卓の騎士―サトクリフ・オリジナル
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アーサー王と聖杯の物語―サトクリフ・オリジナル〈2〉 (サトクリフ・オリジナル (2))アーサー王と聖杯の物語―サトクリフ・オリジナル〈2〉 (サトクリフ・オリジナル (2))
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アーサー王最後の戦い―サトクリフ・オリジナル〈3〉 (サトクリフ・オリジナル (3))アーサー王最後の戦い―サトクリフ・オリジナル〈3〉 (サトクリフ・オリジナル (3))
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 サトクリフの本は、実は持っていないのですが、、、
 今までもう、、、何度となく図書館で借りてきて読みました。

 久しぶりにアーサー王熱があがってきたので、また借りてこようかな。。。

 
 また、こうなってくると、私はケルト熱も一緒に上がって
 きてしまうので、ケルト神話などもいろいろ読みたくなってきて
 しまうのでした。。。


 やっぱり、、、こういう世界って、大好きです。。。


 King_Arthur_and_the_Knights_of_the_Round_Table.jpg
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個別記事の管理2012-05-17 (Thu)
 息子って学校から帰ってきても、「あ~疲れた」とか
 「あ~暑い」とか、「なんか飲むもの(食べるもの)ない?」とか。。。

 そんなことばっかりで、こっちが聞きたい「学校での出来事」の
 ことなんて、ほとんど話してくれず。。。

 たとえしつこく聞いたとしても、「話すのめんどい」とか
 言われることがほとんどです。。。^^;


 娘は、帰ってきたそうそう、「ねぇねぇ聞いて、今日学校でね」と、、、
 こっちが聞いてもいないのに、いろいろ話し始める(笑)


 なんだか、面白いなぁ。。。って思っちゃう。。。


 そんな娘が、昨日も帰って来た途端、学校の授業で配られたプリントを
 見せてくれて、「ママこれきっと、号泣すると思うよ。」って。。。

 それは、『デューク』というお話でした。。。


 
デュークデューク
(2000/11/08)
江國 香織、山本 容子 他

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 私は今まで全然知らなかったのですが、、、

 なんでも、2001年の大学入試のセンター試験の問題で、このお話が
 丸ごと取り上げられたそうでね、その時、試験を受けながら、
 泣いてしまう子が続出したとかで、話題になったお話なのですって。。。

 ドラマにもなったみたい。。。


 元々は、こちらの短編集の中に収録されていたお話の中の
 ひとつだったそうです。。。


 
つめたいよるに (新潮文庫)つめたいよるに (新潮文庫)
(1996/05/29)
江國 香織

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 飼っていた「デューク」という名前の犬が死んでしまって、、、
 それで、泣きながら家を出てアルバイトに向かう女の子。。。

 ずっと泣き通しで、電車の中でも泣きっぱなしで、、、
 そうしたら、その電車の中で、ひとりの男の子に出会って、
 ちょっぴり不思議な体験をする。。。


 そんなお話です。。。


 このお話を読みながら私は、、、
 やっぱりウルッとはきましたが、号泣はしませんでした。。。

 ・・・というのは、今回は、違うところで感動してたから。。。


 あぁ、、、なんだか、シンクロだわ。。。って。。。(笑)


 先日書いた、我が家で飼っていた犬が亡くなった時のお話で、
 母に家を追い出されたあと、、、には、続きがあって。。。


 あの時、私も泣きながら駅まで歩いて行って、涙は全然止まらないし、
 どうしよう。。。と思っていたら、偶然駅で、親友に会ったのです。。。

 あの、中川勝彦さんのライブ通いを一緒にしていた親友の子に。。。

 その子はその時はもう、社会人になっていたけど、その日は
 たまたま会社がお休みだったんだって。。。


 その子の顔を見た瞬間、、、
 はりつめていた糸がゆるみ、私はその子にいきなり抱きついて号泣。。。(笑)

 最初はその子もびっくりしてたけど、さすがに解ってくれている
 友達だったから、、、

 時間のゆるす限り、ずっと一緒にいてくれました。。。


 ああいう時の、、、誰かの温かさとか優しさというものは、、、
 本当に胸にしみるものですね。。。

 今、こうして当時のことを思い出しながら書いていると、、、
 それこそ、泣きそうになってくる感じです。。。


 「こんな時なのに、ずっと一緒にいてあげられなくてごめんね。。。」

 と、彼女は申し訳なさそうに出かけて行ったけど、その子のそういう
 優しさのおかげで涙も止まり、とりあえず、電車に乗ることは出来ました。。。

 でもね、、、
 途中でやっぱりまた涙がこみあげてきて、、、どうしようもなくて、
 とてもじゃないけど、学校の授業なんてまともに受けられなさ
 そうだったし、でも、家には帰れないしで。。。


 その日は結局、、、
 山手線に乗って、2,3周くらい、都内をグルグル周っていました。。。^^;;

 
 さすがに、『デューク』の物語の女の子のように、人目をはばからず
 泣くことは、私にはちょっと恥ずかしくて出来なかったけど。。。

 涙がこぼれてくるときは、下を向いたりしてそれを必死に
 隠しながら、グルグル周っていました。。。


 物語の女の子のように、そこで不思議な彼に会うことも、
 やっぱり、なかったけどね。。。


 ・・・という話を昨日娘にして、だから、デュークのことは、
 明日のブログネタにしよ~なんて話していたのだけど。。。

 
 この頃なんだか、、、
 娘の話がキッカケになって、このブログを書いていることも
 多くなってきたような気がしてきて。。。


 だから冗談で、、、


 「魔女の力は一子相伝。。。
  ママが死んだらこのブログ引き継いでね」


 ・・・なんて言ってみた。。。(笑)
 もちろんこれは、、、本気の話ではないけど。。。


 そして、、、
 その時の娘の反応は、完全ニュートラルでした。。。


 でも。。。

 解っていても親ってついつい、、、
 子供に何か期待してしまうものなのかなぁ。。。なんて思った。。。


 だってね、、、
 子供達がウイングメーカーに関心持ってくれたら嬉しいって。。。


 やっぱり、、、どこかで思ってしまうものね。。。
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個別記事の管理2013-02-13 (Wed)
 息子がツイッターで、こんな言葉をリツイートしていました。。。

 
 自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う
 必要はありませんよ。

 サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中で咲かない。
 シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、
 誰がシロクマを責めますか

 (梨木香歩『西の魔女が死んだ』)



 なんだか。。。
 苦笑い。。。

 
 『西の魔女が死んだ』は、私の大好きなお話のひとつであって、、、
 映画化された時は娘と試写会にまで足を運び、二人で泣きながら
 その映画を観ました。

 娘に原作の本を薦めてみると、彼女は素直にそれを読んでた。。。


 映画のDVDを買って家で観ていた時は、息子も何となく一緒に
 観ていたけど。。。

 彼はあんまり関心ないみたいに見えていたし、もちろん本なんて、
 絶対に読もうとしなかった。

 それでも、、、当時も彼の中では、思うことあったのでしょうね。。。
 そしてやっぱり、本人の自覚はなかったとしても、、、
 少なからず、周りから影響も受けたでしょうし。。。


 息子は、、、
 あのツイートを私が見ることを承知で、あえてリツイートしたのだろうな。。。

 なんて、勘ぐりたくなったりもして。


 趣味ブログとして使っていたブログは、、、
 今や着々と私の本棚と化しているのだけど(笑)

 そんな息子のツイートに刺激されて、西魔女のことも思い出し。。。
 それも本棚ブログに追加しておこうと思ったのだけど。。。

 そうしたら連鎖して、忘れていたような古い本やらCDのことも
 いろいろと思い出してきて。。。

 それを整理し出したら止まらなくなってしまった。。。


 無性にそういうことをやりたくなる時があるの。。。私って。

 整理好きの乙女座の月が刺激されるのか。。。

 こういうのも惑星の影響なのかしら?

 ・・・なんて思いながら。。。


 そんな中、、、
 昔読んだ、サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』という本のことを
 ふと、思い出しました。。。


 
ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)
(1984/05/20)
J.D.サリンジャー

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 学校の、『文章表現』という授業の課題で読まされてね、、、

 私はそれまで、小説なんてマトモに読んだこともなかったのだけど、
 この本がキッカケとなり、一時期は小説をあれこれ読み漁ったり
 していたこともありました。

 これは、そんな思い出の本だったりもします。。。


 それであの時、この本の感想文を書いて提出したら、、、
 みんなの感想文を読んだ先生が、こんなことを言っていたのを、
 今でもハッキリ覚えています。。。

 
 「この本は、毎年生徒には必ず読んでもらって、感想文を
  出してもらうのだけどね。。。
  主人公のホールデン少年を嫌って批判的に見る人と、
  彼の気持ちを理解して共感を持つ人と、必ずふたつに分かれるのよ。」


 ・・・と。


 私は、、、というと、ホールデン少年に、共感していたほうでした。。。

 実は、このお話の内容、今はほとんど覚えていないのですが、、、
 主人公の男の子の気持ちに、当時の自分がとても共感していたという
 ことだけは、今でもよく覚えているのです。


 アマゾンの内容紹介には、こんな風に書いてありました。。。


 インチキ野郎は大嫌い! おとなの儀礼的な処世術やまやかしに反発し、
 虚栄と悪の華に飾られた巨大な人工都市ニューヨークの街を、たったひとりで
 さまよいつづける16歳の少年の目に映じたものは何か? 
 病める高度文明社会への辛辣な批判を秘めて若い世代の共感を呼ぶ
 永遠のベストセラー。



 やっぱり息子は、、、
 私に似ているんだなぁ。。。なんて思ってしまうよ。。。
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