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個別記事の管理2011-09-02 (Fri)
 
マルグリット・デュラスの世界マルグリット・デュラスの世界
(1995/04)
マルグリット デュラス、ミシェル ポルト 他

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 こんな本を読んでみました。。。


 先日、20年ぶりに「ラ・マン」の小説を読んだら、、、
 俄然、彼女に興味がわいてきた。。。

 昔私が彼女に抱いていた印象は、、、

 「自己中心的、意地悪、うぬぼれ屋」

 みたいな、そんなイメージでしたけれども。。。

 この本を読んでいたらそれだけではなく、彼女の
 内側にはもっともっと深い何かがありそうだ。。。と。。。

 そんな気持ちになった。。。

 さすが、、、というか、、、
 彼女は作家なのだから、当たり前と言えば当たり前、、、か。。。


 あんな印象しか持っていなかった当時でさえ、、、
 私はなぜか、彼女のことが好きでした。。。

 でも、「愛人」と「北の愛人」以外は、彼女の小説を
 読んだことはなかったの。。。

 これから少し、彼女のいろんな本を読んでみたいな。。。

 自分がなぜ、こんなに彼女に惹かれるのか、、、
 それを探っていってみたい。。。なんて思ったのでした。


 彼女の観察力や想像力というものは、すごい。。。

 そして私と、、、
 物の見方とか考え方がなんだか似ているな。。。と、、、
 そんな感じがしました。。。


 md3.jpg


 そして私が他の女たちのことを語るとき、その彼女たちの
 中に私も含まれている。まるで彼女たちと私が相互浸透
 しているかのように。彼女たちが浸っている時間、それは
 言葉以前の、男以前の時間。

 男は、ものに名前をつけられないとき、まごついたり、
 困ったり、途方に暮れてしまう。男は、話すという病に
 冒されている。女たちはちがう。ここで私が目にする女たちは
 皆、まず黙る。それが、どういうことになるのかはわからない
 けれど、じっと長いこと黙ることからはじめる。



 durasu4.jpg


 私はあなたに音楽についてなんて話せやしない。いつかは
 音楽が恐怖を抱かせるということはきっとなくなるだろうけど。
 今のところは、音楽は恐怖を抱かせる。
 未来が人を怖れさせるようにね。

 たとえば、バッハは自分自身の音楽に対する理解力を持って
 いなかったと思う。私は彼をゴヤと比べることがある。
 絵画に対して並外れた理解力を持っていたゴヤは、実生活では
 愚かでいることしかできなかった。
 私には、ゴヤがそんなふうだったとしか思えない。

 それにね、彼の人生がそのことを実証している。おべっか使い
 だったのよ。彼は、実に素朴な幻想を抱いていて、つまり、
 一生ずっと、小さな男の子みたいに振舞っていたわけ。
 どこかで無感覚にならないと、あんな風に見ることはできない・・・

 あれほどの鋭さをもってものを見ることが出きるのは、
 その鋭さの反響作用を受けない場合でしかないのよ。
 さもなければ死んでしまう。

 バッハがもし自分のしていることを知っていたら、死んで
 いたでしょうね。



 md6.jpg


 「ガンジスの女」は私にとって、非常に重要だった映画。
   <中略>
 「ガンジスの女」の声を発見したとき、頭がおかしくなるほど
 苦しかった。そうは言っても、ここは、そもそもが苦悩の
 場所であって、そしてそれがおそらくは私の場所なのだと思う。



 durasu3.jpg


 私はひとり、でも声があらゆるところで私に語りかけてくる。
 そこで・・・
 この溢れ出すような感覚をほんの少し知らせようとしているの。

 長いこと、私は、あれを外部の声だと信じていたけど、
 今ではそう思っていない。
 あれは私なのだと思う。もし私がものを書かなくてもそれは
 私、もし私がもっとよく理解しているならそれも私。
 もし私が女たちを愛しているなら私。もし私が死んでいるなら
 私。もし私がわかっているなら私、私、私、・・・・

 それは誰もが自分のうちに持っている多様性のようなもの。
 すべての人が、すべての女が持っている。
 けれども、その多様性は、押し殺されている・・・

 ひとは概して、ひとつの貧弱な声しか持っていない。
 そして、その声で語る。

 溢れ出ていくべきなのに・・・



 彼女はおそらく。。。
 敵も味方も多かった人なんだろうな。。。と。。。

 そんな感じがします。。。

 私はもちろん。。。
 大好きです。。。こういう人。。。


 Marguerite-Duras.jpg
* Category : 文学
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個別記事の管理2011-09-05 (Mon)
 
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(2011/09/07)
ジョディ・フォスター、マシュー・マコノヒー 他

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 これってもしかしたら、私の感動した映画ベストワンかもしれません。


 ずっと誰にも言えなかった体験のこと。。。
 誰にも理解してもらえないと思っていた体験のこと。。。

 それで歯がゆい思いをしたこともありましたが、、、
 この映画を初めて観た時、私は号泣しましたよ。。。

 あぁ。。。
 きっと理解してくれる人はこの世にいるんだ。。。

 そんな希望に満ちてきた。。。


 考えてみたら、この映画を観たのはWMに出会うよりも
 以前のことだったんだよね。。。


 でも、今日本当に久しぶりにこの映画を観たら。。。

 舞台はニューメキシコだし、エリーが資金援助を頼みに行った
 会社の壁に掛けられていた数枚の絵がWMの絵に見えてしまったり、
 ラスト近いシーンでのエリーの、、、

 「言葉では表現できない。。。
  まるでポエムだ。。。
  ここに来るべきだったのは詩人だった。。。」

 というセリフ。。。


 いろんなことが、WMの世界とかぶってしまった。。。


 調べてみたら、この映画が公開されたのは1997年。。。
 WMがネット上に現れたのは、1998年。。。


 ジェームズの言葉が、、、
 いろんなところからの引用の寄せ集めのように感じることが
 この頃少なくなかったので、、、

 ちょっとね。。。

 おやぁ。。。?なんて気分になったりもしたけど。。。(苦笑)



 最近私は、、、

 「自分自身の世界」。。。
 本来の私自身の姿、、、といものが、ようやく見えてきた
 ような気がする。。。

 長い間、そこには薄ぼんやりとヴェールがかかっていたけど。。。

 そのヴェールをはがすお手伝いをしてくれたのは、、、
 間違いなくウイングメーカーです。。。


 だから、ウイングメーカーの、、、ジェームズの正体が
 何だったとしても、私はそこに、とてもご縁を感じるし、
 とてもとても感謝しています。。。


 ただね。。。
 なんと言うのかな。。。


 これからは、、、
 私は私自身を表現していけばいいのだと。。。

 そういう心境になったから。。。


 今の私がやることと言ったら、、、
 気の向いたときに、ポツポツと翻訳を続けることくらいなのかな。。。
* Category : 映画
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個別記事の管理2011-09-22 (Thu)
 バラの妖精


 もし、これから先、あなたの好きな世界に住むことができますよ。。。
 それをあなたは自由に選べますよ。。。

 ・・・と言われたら、どんな世界に住みたい?


 いろんな世界があると思うけど、、、

 例えば、「芸術村」「宗教村」「科学村」だったら、どれがいい?



 『3』という数は不思議。。。

 思考、感情、本能。。。



 私は勝手にこう考えた。。。

 科学は思考、宗教は感情、芸術は本能。。。


 もちろん、実際はこんなにシンプルではないけど。
 イメージで。。。


 人にはそれぞれ、持って生まれた得意分野みたいなものがあって。。。
 なぜならそれはその人が、そう選んできたからで。。。

 そういうのはきっと、深い深いところにあって、外部からの
 影響は全くうけない。。。

 影響を受けるのは、もっと浅い部分。。。 


 自分が本当に心地いいと思える場所、心から熱中できる世界。。。

 嘘偽りなく。。。


 そういう世界に、定住したい。。。
* Category : 言の葉
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個別記事の管理2011-09-23 (Fri)
 さて、、、
 待ちに待ったデアゴスティーニのこのシリーズが
 いよいよ始まりました。

 日本では「ディアゴスティーニ」と呼ぶ人が多いですけど、
 本当は「デアゴスティーニ」なのですよ。

 デアゴスティーニは、イタリアの出版会社です。

 元々は、イタリアの地理学者であったジョバンニ・デアゴスティーニが、
 世界地図の普及を目的に1901年に設立した地図研究所だったそうです。


 バレエのDVDは数限りなくあり、観たいものもものすごくたくさんありますが、
 国内版ですと、4000円とかそれ以上するものも多くありますし、なかなか
 観たいものすべてを揃えるのは難しいと思っていたところに、このシリーズは
 とてもありがたいです。

 テレビも地上デジタル化され、その画質がどんどんよくなっていくなか、
 古い映像の画質はやはりちょっと見劣りしてしまうということもありますが、
 それでも、年数が経過するうちにこういったものもひとつの「味」と
 なっていくのだろうな。。。なんて思います。


 このコレクションの初回、スタートに選ばれたものは、パリ・オペラ座の
 「白鳥の湖」。


 
バレエDVDコレクション 創刊号 (白鳥の湖) [分冊百科] (DVD付)バレエDVDコレクション 創刊号 (白鳥の湖) [分冊百科] (DVD付)
(2011/09/13)
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 オデットは、アニエス・ルテステュ、王子はジョゼ・マルティネズ。
 ヌレエフ版でした。

 実は私は、ヌレエフ版の白鳥を観たのはこれが初めて。

 見慣れないせいか、まだ違和感があったりもしますが、、、
 繰り返し観ていくうちに、その良さを発見していくことが出来るのだろうなと
 期待しつつ。。。

 ヌレエフの世界は、以前やはりオペラ座の「ロミオとジュリエット」で
 少し触れたことはあるのですが、なんというのでしょうね。。。

 ちょっとネガティブ?な匂いを感じたりもします。
 私は、、、ですけれども。

 ヌレエフの白鳥の物語は、悲劇中の悲劇、、、のような終わり方をします。
 そういうところからも、いろいろ思ってしまったのでした。


 現実の残酷な部分をあえて強調して、物事を深く考えさせようとする
 意図を感じる、というか。
 まぁ元々、芸術家というものは、多かれ少なかれそういう
 気質みたいなものあるような気はしますが・・・

 彼はロシアから亡命をした人ですが、故郷を捨てるということは、
 それなりの理由があったのでしょうし、いろいろと世の不条理を
 感じるような経験を多く体験したのではないのかな、、、
 なんて想像したりもします。

 そういった数々の体験から、ヌレエフが世界を眺める視点が
 形成されていき、その世界観や彼が周りに伝えたいメッセージ、
 魂の訴えのようなものが、その作品の中にきっと現れているのでしょう。

 それをこれからじっくり、堪能していきたいと思っています。


 私が今まで観た白鳥の中で、一番素敵だったのはやはりロシアの
 スヴェトラーナ・ザハロワです。
 白鳥は、私の趣味ではやっぱり、ロシアだなぁ。。。なんて思います。

 アニエス・ルテステュのオデットも、ジョゼ・マルティネズの王子も、
 なんだか少し「大人」すぎるような感じがしてしまって。
 エレガントな気品漂うオペラ座の舞台は、やはり古典より
 現代物の方が好きかな。

 ルテステュの椿姫なんて大好きですし。

 この舞台の中で光っていたのは、きっと多くの人がそう感じたと
 思うのですが、ロットバルト兼家庭教師役のカール・パケットでしょう。
 ある意味、王子より目立っていました。

 そうそう、、、
 その王子役のジョゼ・マルティネズはつい先日、オペラ座を
 引退しましたね。

 彼自ら振付した作品「天井桟敷の人々」の主役バティストを
 最後の舞台で踊ったそうです。

 彼自身がこの役を踊るのは、これが最初で最後だったそうですから、、、
 いつか、この舞台も映像で観てみたいものです。


 今回の白鳥の元のDVDはこちらです。


 
パリ・オペラ座バレエ団 白鳥の湖(全4幕) [DVD]パリ・オペラ座バレエ団 白鳥の湖(全4幕) [DVD]
(2008/06/18)
パリ・オペラ座バレエ団

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* Category : 踊ること
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個別記事の管理2011-09-24 (Sat)
 初めてショパンという作曲家を意識したのは、13歳くらいの時
 だったと思います。


 chopin.jpg
  (ドラクロワ画)


 その頃バレエの発表会で「レ・シルフィード」を踊ったのですが、
 その作品に使われている曲が、ショパンだったからです。

 レ・シルフィードの曲は、全てオーケストラで演奏されていますし、
 当時はそういった音楽に耳が慣れていたせいか、ピアノだけで
 演奏されるショパンのワルツやマズルカは、あの頃の私には物足りなくて、、、

 なのでショパンをじっくり聴く。。。ということは、あまりなかったのですが、
 あれからだいぶ歳を重ねたせいなのか。。。
 シンプルなピアノの響きが、今の私にはとてもとても心地よく響いてくるのでした。
 
 ショパンは、、、
 祖国が戦火に巻き込まれたり、若いうちから結核を患ったり。。。
 そういった辛い体験を通して、繊細であったろう彼はきっと、
 いろいろと苦悩を抱えこんでいたのではないでしょうか。

 そういったものが、ショパンの音楽全体に染みこんでいるようで、
 美しいメロディーの中に隠されたその「響き」が、この歳になった
 私の胸に、やけに響いてくるのかもしれません。


 ショパンの曲はみんな好きですが、特に忘れがたい曲があります。

 それは、ワルツ第10番、ロ短調作品69-2


 フランスの女流作家、マルグリット・デュラスの「愛人ラマン」という
 小説のラストシーンにこんな一説があります。


 そして、あの事件が起ったとき、星のきらめく空の下でショパンの音楽が
 突然鳴りひびいたとき、娘はこの船の上にいたのだった。

 それから彼女は泣いた、あのショロンの男のことを想ったからだった、
 そして彼女は突然、自分があの男を愛していなかったということに確信が
 もてなくなった、
 -愛していたのだが彼女には見えなかった愛、水が砂に吸いこまれて
 きえてしまうように、その愛が物語のなかに吸いこまれてきえていたからだ、
 そしていまようやく、彼女はその愛を見出したのだった、はるばると海を
 横切るように音楽の投げかけられたこの瞬間に。



 デュラス自身は小説の中で、この時のショパンがこのワルツだとは、
 言っていませんでしたが、ジャン・ジャック・アノー監督の映画の中では、
 このシーンで流れていたショパンの音楽は、この「ロ短調作品69-2」に
 なっていました。


 ショパンのこのワルツは1829年、彼が19歳の時に創ったものだそうです。
 ただこの曲は、あまりにも感傷的すぎる、、、ということでずっと
 封印されていたのだそうです。

 ショパンの死後、彼の友人であったユリアン・フォンタナによって
 出版された・・・とのことです。

 よかったですよね。この曲が埋もれてしまわなくて。


 いろいろな人が演奏するこのワルツを聴き比べてみましたが、
 その中で、私が一番しっくりくるなぁ。。。と感じたのが、
 アルトゥール・ルービンシュタインというピアニストの演奏でした。


 Arthur_Rubinstein.jpg


 調べてみると彼はショパンと同じポーランドの人で、しかも
 ショパン演奏の大家とも言われているような方だったという
 ことが解り、なるほど、、、と、納得してしまいました。

 これがルービンシュタイン自身のショパンの解釈なのか、、、
 逆にショパンの魂の叫びをそのまま表現するために、彼は
 自分を無にしていたのか。。。

 それともただ単に、私の脳内イメージとぴったり一致した
 だけなのか。

 でもとにかく、、、
 一番響いてきたのは、彼の演奏でした。


 
* Category : 音楽
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個別記事の管理2011-09-25 (Sun)
 デアゴスティーニ、バレエDVDコレクション第2号は、
 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の『くるみ割り人形』でした。
 ピーター・ライト版です。


 
英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ チャイコフスキー:バレエ《くるみ割り人形》全2幕 [DVD]英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ チャイコフスキー:バレエ《くるみ割り人形》全2幕 [DVD]
(2006/08/25)
吉田都、イレク・ムハメドフ 他

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 定期購読を予約してあるのですが、昨日もう、届きました。
 発売日は27日となっていたので、少し早めの到着。


 今回はなんといっても、吉田都さんのこんぺい糖の精が見所ですよね。
 彼女の踊りはどこまでも安定していて、観ていて安心だし、とても
 気持ちよいです。

 くるみ割り人形のイレク・ムハメドフは、元ボリショイのスター。
 彼も亡命組です。
 かなりガッチリとした体格の方です。

 この二人のパ・ド・ドゥからは、「正確さ」とか「安定」というものが
 ひしひしと伝わってきて、、、
 ザ・クラシック・バレエ。。。という感じ。

 日本人の真面目さみたいなものを感じます。。


 バレエについて何も知らない人から一番最初に何を観るのがいい?と
 聞かれたら、私は「白鳥の湖」よりもこの「くるみ割り人形」の方を
 お薦めすると思います。

 物語りも解りやすいですし、楽しい踊りがたくさん出てくるので子供でも
 観ていて飽きないでしょうし。

 でももし、夢の世界の「メルヘンさ」を求めるなら、やっぱりロシアの
 マリインスキーが一番。
 特に、ラリッサ・レジュニナのクララが可愛くて最高。
 これは、私の好みかな?

 マリインスキーに比べるとこの英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の
 くるみは、少しトーンが暗めで落ち着いた感じがします。

 英国のあの「重厚さ」を、ここでもヒシヒシと感じました。

 それに英国って、少し怪しいところがありますよね。
 怪しい魔術結社があったりですとか、魔女やドルイドのような
 古代宗教を復活させようとする活動があったりとか。

 スピリチュアルと言うか魔法というか、、、
 そういったイメージが私はあの国には少し強いのですが、魔法といっても
 実際の「魔術」にはやはり少しおどろおどろしい匂いがつきものですし。

 なんというか、そういう匂いのようなものが舞台全体から漂ってくる感じが
 したのでした。。。

 そうそう、イメージとしたらディズニーランドのホーンテッドマンション?!
 なぜかどこか不気味、けれども綺麗だからつい惹かれてしまう・・・みたいな。


 あとひとつだけ言えば。。。
 中国の踊り、、、顔を黄色く塗るのはやめてほしいかな。。。
* Category : 踊ること
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個別記事の管理2011-09-29 (Thu)
 201301040127146be.jpg
  『Le Pavillon』 アンリ・ル・シダネル 1909年


 少し前ですが、メルシャン軽井沢美術館に行ってきました。

 目的は、フランス人画家、アンリ・ル・シダネルの絵。

 この展覧会は後日東京にも来るそうなのですが、メルシャン美術館が
 今年の11月で閉館になると伺ったので、どうしても最後に行って
 おきたかったのです。


 20130104013205f81.jpg

 
 こちらの美術館の雰囲気は、私の理想でした。
 閉館してしまうなんて、寂しい限りです。

 けれどもその最後を飾る展覧会が、アンリ・ル・シダネルだったこと・・・

 それは私にとって、最高の贈り物になってくれたような感じがします。


 彼の絵、一目見て大好きになってしまいました。

 至るところに薔薇が描かれていて、、、
 薔薇好きの人にはきっと、たまらないと思います。

 ル・シダネル自身も、薔薇をこよなく愛していた人だったそうです。


 アンリ・ル・シダネル(Henri Le Sidaner 1862-1939)は
 20世紀初頭に活躍したフランスの画家です。モネ、ピサロ、
 スーラなどと同時代を生き、印象派、新印象派など様々な
 芸術運動を目撃しながらも、同時代の芸術的な動きとは距離を
 おいて独自の画風を発展させました。

 1862年にインド洋のモーリシャス島で生まれ、18歳でパリにでて
 アレクサンドル・カバネルのアトリエで数年間学んだあと、
 1939年第二次世界大戦勃発の数週間前に亡くなるまで“薔薇の庭”
 “木漏れ日”“ガーデンテーブル”“夜の森”“夕暮れに
 家々の窓から漏れる光”など身近な題材を情緒的なタッチで描きました。

 どこか内省的でありながら穏やかな空気感を持つ作風は当時
 大変な人気を集め、現在でも世界中の美術愛好家を魅了しています。

 1989年に行なわれたマルモッタン・モネ美術館(パリ)での
 大規模な個展を中心にル・シダネルの展覧会は近年ヨーロッパで
 頻繁に開催されてきましたが、日本では国内コレクションの
 常設展などで数点が展示されるに留まり、回顧展の開催が
 長らく待たれていました。

 本展はル・シダネルの曾孫で美術史家のヤン・ファリノー=
 ル・シダネル氏の協力により油彩を中心に初期から晩年に
 いたるまで、主にフランスの複数の美術館が所蔵する60余点で
 構成され、その画業を本格的に紹介する日本では初めての回顧展です。

 ル・シダネルの作品は、時代や文化を超えて観る者の郷愁を
 優しく刺激する、普遍的な魅力と暖かさに溢れています。
 身近なものを描いた彼の作品は、平凡な日々の生活の中に
 あってもほっとする一瞬の「小さな幸せ」を感じさせてくれます。
 今の時代においても新鮮な輝きに満ちたル・シダネルの作品を
 どうぞご堪能ください。

 (メルシャン軽井沢美術館サイトより転載)



 アンリ・ル・シダネルの絵は、どれもホンワカとした雰囲気を
 漂わせていて、彼はきっと、とても優しい人柄だったのだろうな、
 と感じさせてくれます。

 そして、ミストがかかったように、全体がぼんやりと霞んでいる
 ところが、なんともいえなく神秘的で。。。

 夜の家を描いたものは、どれも窓の部分に鮮やかなオレンジ色が
 使われていたことが、なんだか印象に残りました。

 家の中はおそらく、明るくそして温かく。。。
 そこで家族みんなで楽しく過ごしているのだろうな、と想像してみたり。

 
 東京に来た時、もう一度行ってみたいなと思ってしまうくらい
 大満足の展覧会でした。

 けれどももしかすると、軽井沢のあの美術館であの絵を観るという
 体験が、私にとっては至福のひと時だったのかもしれません。。。

 
 ここに載せた絵は、実は今回の展覧会では展示されていません
 でしたが、とてもお気に入りなので。。。

 ル・シダネルの絵は、今後も少しづつ、ここに飾っていきたいな。。。
 と、思っています。。。


 シューマン「月の夜」
 
* Category : 絵画
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個別記事の管理2011-09-29 (Thu)
 先日、声楽の先生に「あなたは素直だから上達が早いですね。」と
 言われました。


 素直?私が?


 ・・・と、びっくりしてしまった。

 私は自分のこと、素直だと思ったことは今まで一度もなかったから。。。


 ずいぶんと長い間、、、
 私は自分のことを疑い深いし、周りからの影響はほとんど受けずに
 わが道を行く人なんだと思いこんでいました。

 けれどもある時、私って本当に周りに影響されやすいのだな。。。
 ・・・ということに気がついたの。。。


 何も解らないうちから、何かを否定するの、イヤだったのです。。。

 だから。。。
 疑問があっても、とりあえず相手の言うことを試してみよう、、、
 理解してみよう、、、としているうちに、自分でも気づかぬまま、
 いつの間にかそれが、まるで自分自身であるかのような錯覚に
 陥ってしまっていた。。。

 そして、それを「錯覚」だと気づくまでに、、、
 ものすごく時間がかかった。。。


 声楽の先生はそれを「素直」と言ってくれたけど。。。

 わたしのこういう性質って、バレエとか声楽とか。。。
 そういう「習い事」をする時にはとっても役立つと思う。。。

 勝手に自己流ではやらずに、先生に言われたとおりにするから。。。


 でも、「生き方」という点でみてみると、それはかなり、
 混乱を招く要因になる。。。

 だってね。。。
 自分の本来の姿が、見えなくなってしまってしまうのだもの。。。


 でも。。。
 やっとそれを見つけた。。。



 子供が思春期になると黒い服を着たがるのは、おかしな社会の構造、、、
 大人の世界に反発して、そこから自分自身の世界を守ろうとする。。。

 そういう無意識の現われなのだと聞いたことがあります。。。


 大人になる。。。って、一体どういうことなのでしょうね。。。


 これからは、、、
 私の世界とあなたの世界、、、両方を大事にしていこうと思う。。。
* Category : 徒然日記
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個別記事の管理2011-09-30 (Fri)
 パリ・オペラ座の『カリギュラ』を観て、もっと物語を深く知ってみたくなり、
 読んでみました。


 
カリギュラ・誤解 (新潮文庫)カリギュラ・誤解 (新潮文庫)
(1971/01)
アルベール・カミュ

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 カミュは、学生時代に『異邦人』を読んで以来・・・

 まだ10代だった私は、異邦人を読んだらわけも解らず胸が苦しく
 なってしまって、それ以上そこに触れようとしなかった。
 それでも、とても好きだったのだけど。。。

 でも今はもう、ああいった思いに囚われることもなく、
 それを観ることができるようになったような気もします。


 カリギュラというのは、元々戯曲として書かれたもので、
 初演は1945年、エベルト座だそうです。

 その時のカリギュラ役は、あの、ジェラール・フィリップ。


 Gerard_Philipe_1.jpg


 観たかったな。。。
 ジェラール・フィリップ、大好きなのです、私。


 彼は、1940年代の「フランスの美」と称された人。
 そして、「知性の人」といわれていた人だから、、、
 カリギュラの役にぴったりと合っていたのではないのかなぁ。。。

 現に、初演は大成功だったようです。

 カミュ自身は、ジェラールのように外見的に「華」のある人ではなく、
 内面で勝負、、、という意味で、最初は違う俳優を考えて
 いたらしいですけれども。


 繊細で、頭がよくて、本来は優しすぎるくらい優しくて、、、
 そして、人の気持ちが解りすぎるほど解ってしまう。。。
 純粋な人。。。

 そういう人が何かで傷ついてしまった時、カリギュラの
 ようになってしまうことって、よくあるような気がします。


 オペラ座のバレエでは、カリギュラが倒れるシーンでヴィヴァルディの
 四季の中の「冬」が使われていました。

 そのせいで私は、この物語を読んでいる間中、頭の中でその音楽が
 鳴りつづけてしまって・・・


 
* Category : 文学
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