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個別記事の管理2011-09-30 (Fri)
 パリ・オペラ座の『カリギュラ』を観て、もっと物語を深く知ってみたくなり、
 読んでみました。


 
カリギュラ・誤解 (新潮文庫)カリギュラ・誤解 (新潮文庫)
(1971/01)
アルベール・カミュ

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 カミュは、学生時代に『異邦人』を読んで以来・・・

 まだ10代だった私は、異邦人を読んだらわけも解らず胸が苦しく
 なってしまって、それ以上そこに触れようとしなかった。
 それでも、とても好きだったのだけど。。。

 でも今はもう、ああいった思いに囚われることもなく、
 それを観ることができるようになったような気もします。


 カリギュラというのは、元々戯曲として書かれたもので、
 初演は1945年、エベルト座だそうです。

 その時のカリギュラ役は、あの、ジェラール・フィリップ。


 Gerard_Philipe_1.jpg


 観たかったな。。。
 ジェラール・フィリップ、大好きなのです、私。


 彼は、1940年代の「フランスの美」と称された人。
 そして、「知性の人」といわれていた人だから、、、
 カリギュラの役にぴったりと合っていたのではないのかなぁ。。。

 現に、初演は大成功だったようです。

 カミュ自身は、ジェラールのように外見的に「華」のある人ではなく、
 内面で勝負、、、という意味で、最初は違う俳優を考えて
 いたらしいですけれども。


 繊細で、頭がよくて、本来は優しすぎるくらい優しくて、、、
 そして、人の気持ちが解りすぎるほど解ってしまう。。。
 純粋な人。。。

 そういう人が何かで傷ついてしまった時、カリギュラの
 ようになってしまうことって、よくあるような気がします。


 オペラ座のバレエでは、カリギュラが倒れるシーンでヴィヴァルディの
 四季の中の「冬」が使われていました。

 そのせいで私は、この物語を読んでいる間中、頭の中でその音楽が
 鳴りつづけてしまって・・・


 
* Category : 文学
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