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デュラスのラ・マン

 26,2011 22:15
 バレエ「椿姫」に登場するあの娼婦の名は「マルグリット」。。。

 先日たまたま見つけた古い映画のビデオテープ、、、
 ジェラール・フィリップの「悪魔の美しさ」に出てくる
 ジプシーの純真な娘の名も、「マルグリット」。。。

 椿姫のショパンの響きがあまりにも心地よくて、、、
 そうして思い出したショパンのワルツで、私は、あの物語を
 思い出していた。。。

 そして、、、
 その物語を書いた作者の名もまた、マルグリット。。。


 昔、ニューカレドニアを旅した時、空港や街中のあちら
 こちらに、こんな映画の宣伝ポスターが貼られていました。。。


 Lamant.jpg


 これがなぜか目に焼きついて忘れられなくなり、、、
 帰国してしばらくした頃、日本でもこの映画が公開される
 ことになり、早速観に行きました。。。

 その内容もよく知らないままに。。。


 映画には、かなりきわどいシーンも多かったのですが、、、
 そういう表面的なものではなく、もっと深いところで、
 この物語は、私の魂に触れる何かを持っていました。。。

 原作者であるデュラスと、監督のジャン・ジャック・アノーの
 意見の相違で、途中デュラスが降板してしまったこと。。。

 あのポスターの少女は、映画でデュラスを演じたジェーン・
 マーチなのですが、それは、原作の本の表紙に載っている
 デュラス自身の写真のイメージを真似たのだということ。。。

 そういったエピソードから、私はその小説の方も読んでみたく
 なったのでした。。。


 
愛人(ラマン) (河出文庫)愛人(ラマン) (河出文庫)
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 この物語を、20年ぶりに読みました。。。

 昔の私は、デュラスのことを、、、
 「なんて自己中心的で、意地悪で、、、性格の悪い人なんだろう。。。」
 と、思っていた、、、という記憶があります。。。

 それでも、デュラスのこと、嫌いではなかったのです。。。


 今の私は、、、
 彼女のことが、とても愛おしい。。。

 涙が出そうになるくらい。。。


 子供の頃、親との関係がスムーズにいかないと、、、
 どうしても、心に闇を抱えがちになる。。。

 けれどもそれが、その人に何か行動を起こさせる原動力になる。。。

 デュラスの場合、、、彼女は小説を書いた。。。


 この本の帯には、「自らの性愛体験を赤裸々に描いた衝撃作」
 なんて書かれていましたが、今読み返してみると、これは、
 そんな簡単な言葉で定義できるような代物ではないな。。。と。。。

 私は思いました。。。


 デュラスは、、、歪んでいる。。。

 でも彼女は、一度取り憑かれたらもう、そこから
 離れられなくなってしまうような魅力を持っていて。。。

 特に男性にとっては、、、危険人物よね。。。

 
 彼女には晩年、38歳年下の恋人がいました。。。
 彼との出会いがキッカケとなり、デュラスはこの「ラ・マン」を
 書き始めたそうです。。。

 それまでの間、彼女はしばらく執筆活動を止めていたのですって。。。

 ヤン・アンドレア。。。
 
 それは、デュラスが彼につけた名前ですが、その彼が書いた
 小説を元にした映画があります。。。

 その映画を見る限り、デュラスはどう見ても「愛情欠乏症」
 だったように感じます。。。

 自分を愛する男性に対して、サディスティックな。。。
 わざと相手の心を真から傷つけるようなことをする。。。

 初体験の相手の中国人青年に対しても、、、
 このヤンに対しても。。。

 デュラスは、ひどい態度をとっている。。。
 本当の気持ちとは裏腹な、とてもひどい態度です。。。


 自分まで破壊してしまうような、そんな破滅的な態度を
 とってしまうのも、母から理解してもらえなかったと
 感じていた彼女の内側に潜んでいる「愛情不足」の感覚。。。

 そこから来ていたのだろうと。。。

 私は感じたのでした。。。


 「ラ・マン」の物語を書く時、もしそのタイピングをヤンに
 手伝わせていたのだとしたら、、、
 こんな物語を聞かされていた時彼は、一体どんな気持ちに
 なったのでしょう。。。

 きっと、いい気持ちはしなかっただろうと思う。。。
 辛かったと思う。。。

 愛する人の初体験の赤裸々な詳細なんて、、、
 あんまり知りたいものではないものね。。。

 でも。。。
 それを承知で、デュラスは彼にタイプを打たせる。。。

 自分は無邪気に仕事をしているだけですよ。。。という
 態度で。。。

 
 そういう二人の間の、微妙な愛憎のやり取りを通して
 生まれたこの作品が、、、
 世界的なベストセラーになってしまうなんて。。。


 神様って、、、
 ホント、いい加減にして欲しいな。。。と思ってしまうことが
 時々ある。。。 


 ただ。。。
 最後までデュラスに付き添い、彼女を看取ったヤンという人には、、、
 解っていたのかな。。。

 この「ラ・マン」という物語の軸となっているものは、、、
 「性愛」についてではなく、「家族」。。。
 とりわけ「母親とのこと」が、彼女にとって一番伝えたかった
 ところだったのだろう。。。ということを。。。


 そしてそういう自分を、、、
 どんなにメチャクチャな自分を知っても、それを受け入れ
 愛してくれる人を、、、

 デュラスは、ずっと探していたのかもしれない。。。

 ・・・ということを。。。


 

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