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原初意識と高次意識

 06,2013 10:04
 
洞窟のなかの心洞窟のなかの心
(2012/08/02)
デヴィッド・ルイス=ウィリアムズ

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 2009年の2月12日、ネアンデルタール人のドラフトゲノム解析が終了したという
 ニュースがありました。

 ドラフト、、、ですから、まだ完全ではないですが、それでもその全体像が
 なんとなく見えてきたようです。

 それによって、今では様々ことが解ってきています。
 たとえば、、、


 ・ネアンデルタール人のDNAと現生人類との間では、FOXP2と呼ばれる「言語遺伝子」の
  同じバージョンが共有されていたこと

 ・成人のネアンデルタール人が乳糖を消化できなかったということ。
  これは、ネアンデルタール人が乳離れしたあとは、ミルクを飲むことが
  出来なかった可能性があることを示しているとのこと。
  ちなみに、現代のアメリカの約5000万人の成人がこのような乳糖不耐症に
  悩まされているそう。

 ・ほとんどの現代人がネアンデルタール人とのつながりを持っていることが明らかになり、
  その遺伝子構造の少なくとも1~4%はネアンデルタール人に由来するものだということ。
  1~4%というのはあくまで最低限の値で、10%、あるいは20%という可能性さえあると
  言っている研究者もいる。アフリカ人はネアンデルタール人の遺伝子を持たない。
  (アフリカを出発した後に、ネアンデルタール人と現生人類の異種交配があった可能性あり)

 ・現生人類とネアンデルタール人のDNA配列は99.7%が一致していることが判明した。
  なおチンパンジーとは98.8%一致している。


 などなど、他にもいろいろとあるのですが、2013年現在では、ネアンデルタール人が
 現生人類よりも様々な点で劣っていた。。。と考えることは、どうやら間違いだったと
 いうことが、明らかになってきているようです。

 ほんの10年くらいの間に、これまでずっと「未開人」とされてきたネアンデルタール人が、
 実は全然未開人ではなく、現生人類とあまり変わらなかったのではないか。。。と
 いうところまでになってきました。

 なんだか、面白いですよね。

 アルタミラ洞窟が発見された頃には、その現生人類の祖先であるクロマニョン人
 でさえもが、ついこの前までのネアンデルタール人と同じような扱いをされていたわけで。。。

 あとは例えば、カエサルの頃のローマは、ケルトの民族を「野蛮人」扱いしていたりとか。

 人って、理解不能なものを「未開」とか「野蛮」とか、そういう風に決めつけて
 しまう傾向があったりするのでしょうか?

 それとも、、、
 私たち自身の意識が進化したことによって、過去自体が変わったのでしょうか?

 
 ルイス=ウィリアムズさんがこの本を出版された時と現在とでは、
 ネアンデルタール人自身が、もう変化してしまいました。

 彼は、「ネアンデルタール人は未開人」という現実の上に立脚して
 理論を展開させていますので、そのあたりは今読むと、例えば宗教観の
 部分などについては、少し違和感を感じたりしてしまう部分も多少
 あったりするのですが、、、

 でもルイスさんの、捉えどころ、、、というか、着目点が面白いな。。。
 と思ったのです。


 ルイスさんは、現生人類とネアンデルタール人は、脳の神経構造とその構造が
 生み出す「意識のタイプ」が違っていたと言っているのです。


 エーデルマンが示した二種類の意識のあり方について話を進めよう。
 その二つとは、原初意識と、高次意識である。

 原初意識は、(ほぼ確実に)チンパンジー、(おそらく)ほとんどの哺乳類や
 何種類かの鳥たちのような動物はある程度経験することができるものである。
 (おそらく)爬虫類には原初意識はない。このようにして、エーデルマンは
 原初意識とは何かを定義している。


 原初意識とは、この世にあるさまざまな事象を意識し、現在における心的イメージを
 持っている状態のことである。そこには、人間が過去と未来について持つ感覚は
 一切伴わない。
 ・・・[原初意識が依存するのは]神経解剖学の新たな構成要素として進化のなかで
 現れた凹角(おうかく)の特殊な回路である。・・・人間は高次意識を持つが、
 進行中のさまざまな出来事を類別化していくために、「映像」や「心的イメージ」
 として原初意識を経験してもいる。・・・原初意識は、一種の「記憶された現在」
 なのである。・・・原初意識は、現在という時間の塊のまわりにあるわずかな区別の
 記憶に限られている。それは自己(a personal self)といったはっきりとした
 観念や概念を欠いており、過去や未来を現在と関わりのあるものとしてモデル化する
 能力もない。

 原初意識を持つ動物は、空間を見るとき、一筋の光がそれを照らしだしているように
 見る。光が照らしだしていたものだけが、現在としてはっきりと記憶され、その他は
 暗闇である。これは、原初意識を持つ動物は長期にわたる記憶を持つことができないとか、
 それに基づいて行動することができないことを意味しているのではない。実際、それは
 可能である。しかし、一般的にそれらの動物は長期にわたる記憶を意識できず、
 自分自身で未来を計画することはできない。・・・原初意識を持つ生物は、心的イメージを
 持っているが、社会的に構築された自己の視点から心的イメージを見る能力はない。


 このような意識と移行期の関連を指摘する前に、エーデルマンが高次意識について
 要約したものを紹介しておこう。それはホモ・サピエンスが持つ意識である。


 高次意識には認識能力が含まれており、自身の行為や感情について考えることができる。
 そして、自己のモデル、現在と同様に過去と将来のモデルを具体的に築くことができる。
 ・・・それは、人間が原初意識に加えて持つ意識である。人間は、意識することを
 意識するのである。・・・現在は記憶され圧倒的な存在感を持つ。それを解消する
 方法とはどのようなものであろうか?答えは次の通りである。象徴的な記憶を扱う
 新たな形式を進化させ、社会でのコミュニケーションと伝達に利用可能なシステムを
 構築することにより、それは可能となるのである。その形式がもっと発達したものとして、
 言語の進化を挙げることができる。人間は言語を持つ唯一の種である。それが意味するのは、
 高次意識は人間とともに成熟してきたということである。・・・
 [高次意識には、]社会の文脈のなかで人格を構築し、過去と未来の視点から世界を
 モデル化し、直接感じ取る能力が含まれている。象徴的な記憶がなければ、これらの
 能力は発達することができない。・・・人間は個人と個人の相互作用を通して、
 長期にわたり象徴的関係を蓄積してきたのであり、そのために、自己という概念を
 客観的に捉えることができるのである。
 


 なんとなく。。。

 原初意識は、大脳辺縁系(哺乳類脳)。
 高次意識は、大脳新皮質(人間脳)に関わるような気がしたのですが。。。

 そして脳幹が「爬虫類脳」と呼ばれていますので、脳幹というものは、
 ただただ生命を繋ぐだけのシステム。。。ということになるのかな。

 ネアンデルタール人の脳の容量自体は、ホモ・サピエンスよりも
 大きかったのだそうですが、前頭葉の部分が私たちよりも小さかったことが
 頭骨の裏に残った動脈の痕からわかっているとかで。。。

 ですので脳自体は大きくても、大脳新皮質の部分が、私たちよりも
 少なかったということですよね。。。

 ということは、彼は、他の哺乳類動物以上に言葉を扱えたり、また、火を
 扱ったりすることは出来たとしても、今の私たちのように、複雑な
 思考というものは持っていなかったのかもしれませんね。

 考えたりすることは出来たとしても、かなりシンプルだった。。。
 とも言えるのかもしれません。

 ・・・というわけで、もしネアンデルタール人がその「原初意識」だけで
 生きていたとすると、それは完全に「今を生きる」という状態になると
 思うのです。

 けれども、複雑な宗教や芸術というものは、「高次意識」を持っていないと
 生み出すことが出来ない。。。

 そういう話になると思います。


 スピリチュアルではよく、「今を生きましょう」と言いますが、本当に
 完全に今しか生きることが出来なかったとしたら、私たちは、、、
 ネアンデルタール人とまったく同じような生き方しか出来なくなってしまう。。。
 ・・・ということなのでは?なんて思ったのです。

 でもそれって、、、
 ネアンデルタール人が地球上から絶滅し、ホモ・サピエンスが繁栄した
 事実が必然だったのだと考えると。。。

 今更ネアンデスタール人のように生きましょう。。。と考えるのは、、、
 ちょっと、極端すぎてしまうしね。。。

 じゃぁ、「今を生きるってどういうことなの???」
 ・・・となってしまいそうなところですが、、、実はそれって、
 とても簡単なことのような気がするのです。


 過去に「執着する」ことをやめて、未来を「心配する」ことをやめる。


 ただこれだけでいいのではないのかな。。。と、私は思っていたりします。


 その時その時の、「ハートの声」に素直に。。。
 

 簡単とは言いましたが、実はこれはすごく難しいことです(苦笑)
 よくよく観察してみれば解ると思うのですが、私たちの思考は常に
 休むことなく、過去や未来をあちこちさ迷っていますから。。。


 今のハートに落ち着く。。。


 そこさえ押さえておけば、せっかく大脳新皮質を発達させ、知性というものを
 発達させてきた私たちなのですから、それをフルに活用しない手はないですよね。

 システムそのものをシャットダウンさせる必要はない。。。と、
 私は思っています。


 

 

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