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初めてショパンという作曲家を意識したのは、13歳くらいの時
だったと思います。

(ドラクロワ画)
その頃バレエの発表会で「レ・シルフィード」を踊ったのですが、
その作品に使われている曲が、ショパンだったからです。
レ・シルフィードの曲は、全てオーケストラで演奏されていますし、
当時はそういった音楽に耳が慣れていたせいか、ピアノだけで
演奏されるショパンのワルツやマズルカは、あの頃の私には物足りなくて、、、
なのでショパンをじっくり聴く。。。ということは、あまりなかったのですが、
あれからだいぶ歳を重ねたせいなのか。。。
シンプルなピアノの響きが、今の私にはとてもとても心地よく響いてくるのでした。
ショパンは、、、
祖国が戦火に巻き込まれたり、若いうちから結核を患ったり。。。
そういった辛い体験を通して、繊細であったろう彼はきっと、
いろいろと苦悩を抱えこんでいたのではないでしょうか。
そういったものが、ショパンの音楽全体に染みこんでいるようで、
美しいメロディーの中に隠されたその「響き」が、この歳になった
私の胸に、やけに響いてくるのかもしれません。
ショパンの曲はみんな好きですが、特に忘れがたい曲があります。
それは、ワルツ第10番、ロ短調作品69-2
フランスの女流作家、マルグリット・デュラスの「愛人ラマン」という
小説のラストシーンにこんな一説があります。
そして、あの事件が起ったとき、星のきらめく空の下でショパンの音楽が
突然鳴りひびいたとき、娘はこの船の上にいたのだった。
それから彼女は泣いた、あのショロンの男のことを想ったからだった、
そして彼女は突然、自分があの男を愛していなかったということに確信が
もてなくなった、
-愛していたのだが彼女には見えなかった愛、水が砂に吸いこまれて
きえてしまうように、その愛が物語のなかに吸いこまれてきえていたからだ、
そしていまようやく、彼女はその愛を見出したのだった、はるばると海を
横切るように音楽の投げかけられたこの瞬間に。
デュラス自身は小説の中で、この時のショパンがこのワルツだとは、
言っていませんでしたが、ジャン・ジャック・アノー監督の映画の中では、
このシーンで流れていたショパンの音楽は、この「ロ短調作品69-2」に
なっていました。
ショパンのこのワルツは1829年、彼が19歳の時に創ったものだそうです。
ただこの曲は、あまりにも感傷的すぎる、、、ということでずっと
封印されていたのだそうです。
ショパンの死後、彼の友人であったユリアン・フォンタナによって
出版された・・・とのことです。
よかったですよね。この曲が埋もれてしまわなくて。
いろいろな人が演奏するこのワルツを聴き比べてみましたが、
その中で、私が一番しっくりくるなぁ。。。と感じたのが、
アルトゥール・ルービンシュタインというピアニストの演奏でした。

調べてみると彼はショパンと同じポーランドの人で、しかも
ショパン演奏の大家とも言われているような方だったという
ことが解り、なるほど、、、と、納得してしまいました。
これがルービンシュタイン自身のショパンの解釈なのか、、、
逆にショパンの魂の叫びをそのまま表現するために、彼は
自分を無にしていたのか。。。
それともただ単に、私の脳内イメージとぴったり一致した
だけなのか。
でもとにかく、、、
一番響いてきたのは、彼の演奏でした。
だったと思います。

(ドラクロワ画)
その頃バレエの発表会で「レ・シルフィード」を踊ったのですが、
その作品に使われている曲が、ショパンだったからです。
レ・シルフィードの曲は、全てオーケストラで演奏されていますし、
当時はそういった音楽に耳が慣れていたせいか、ピアノだけで
演奏されるショパンのワルツやマズルカは、あの頃の私には物足りなくて、、、
なのでショパンをじっくり聴く。。。ということは、あまりなかったのですが、
あれからだいぶ歳を重ねたせいなのか。。。
シンプルなピアノの響きが、今の私にはとてもとても心地よく響いてくるのでした。
ショパンは、、、
祖国が戦火に巻き込まれたり、若いうちから結核を患ったり。。。
そういった辛い体験を通して、繊細であったろう彼はきっと、
いろいろと苦悩を抱えこんでいたのではないでしょうか。
そういったものが、ショパンの音楽全体に染みこんでいるようで、
美しいメロディーの中に隠されたその「響き」が、この歳になった
私の胸に、やけに響いてくるのかもしれません。
ショパンの曲はみんな好きですが、特に忘れがたい曲があります。
それは、ワルツ第10番、ロ短調作品69-2
フランスの女流作家、マルグリット・デュラスの「愛人ラマン」という
小説のラストシーンにこんな一説があります。
そして、あの事件が起ったとき、星のきらめく空の下でショパンの音楽が
突然鳴りひびいたとき、娘はこの船の上にいたのだった。
それから彼女は泣いた、あのショロンの男のことを想ったからだった、
そして彼女は突然、自分があの男を愛していなかったということに確信が
もてなくなった、
-愛していたのだが彼女には見えなかった愛、水が砂に吸いこまれて
きえてしまうように、その愛が物語のなかに吸いこまれてきえていたからだ、
そしていまようやく、彼女はその愛を見出したのだった、はるばると海を
横切るように音楽の投げかけられたこの瞬間に。
デュラス自身は小説の中で、この時のショパンがこのワルツだとは、
言っていませんでしたが、ジャン・ジャック・アノー監督の映画の中では、
このシーンで流れていたショパンの音楽は、この「ロ短調作品69-2」に
なっていました。
ショパンのこのワルツは1829年、彼が19歳の時に創ったものだそうです。
ただこの曲は、あまりにも感傷的すぎる、、、ということでずっと
封印されていたのだそうです。
ショパンの死後、彼の友人であったユリアン・フォンタナによって
出版された・・・とのことです。
よかったですよね。この曲が埋もれてしまわなくて。
いろいろな人が演奏するこのワルツを聴き比べてみましたが、
その中で、私が一番しっくりくるなぁ。。。と感じたのが、
アルトゥール・ルービンシュタインというピアニストの演奏でした。

調べてみると彼はショパンと同じポーランドの人で、しかも
ショパン演奏の大家とも言われているような方だったという
ことが解り、なるほど、、、と、納得してしまいました。
これがルービンシュタイン自身のショパンの解釈なのか、、、
逆にショパンの魂の叫びをそのまま表現するために、彼は
自分を無にしていたのか。。。
それともただ単に、私の脳内イメージとぴったり一致した
だけなのか。
でもとにかく、、、
一番響いてきたのは、彼の演奏でした。
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