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『Le Pavillon』 アンリ・ル・シダネル 1909年
少し前ですが、メルシャン軽井沢美術館に行ってきました。
目的は、フランス人画家、アンリ・ル・シダネルの絵。
この展覧会は後日東京にも来るそうなのですが、メルシャン美術館が
今年の11月で閉館になると伺ったので、どうしても最後に行って
おきたかったのです。

こちらの美術館の雰囲気は、私の理想でした。
閉館してしまうなんて、寂しい限りです。
けれどもその最後を飾る展覧会が、アンリ・ル・シダネルだったこと・・・
それは私にとって、最高の贈り物になってくれたような感じがします。
彼の絵、一目見て大好きになってしまいました。
至るところに薔薇が描かれていて、、、
薔薇好きの人にはきっと、たまらないと思います。
ル・シダネル自身も、薔薇をこよなく愛していた人だったそうです。
アンリ・ル・シダネル(Henri Le Sidaner 1862-1939)は
20世紀初頭に活躍したフランスの画家です。モネ、ピサロ、
スーラなどと同時代を生き、印象派、新印象派など様々な
芸術運動を目撃しながらも、同時代の芸術的な動きとは距離を
おいて独自の画風を発展させました。
1862年にインド洋のモーリシャス島で生まれ、18歳でパリにでて
アレクサンドル・カバネルのアトリエで数年間学んだあと、
1939年第二次世界大戦勃発の数週間前に亡くなるまで“薔薇の庭”
“木漏れ日”“ガーデンテーブル”“夜の森”“夕暮れに
家々の窓から漏れる光”など身近な題材を情緒的なタッチで描きました。
どこか内省的でありながら穏やかな空気感を持つ作風は当時
大変な人気を集め、現在でも世界中の美術愛好家を魅了しています。
1989年に行なわれたマルモッタン・モネ美術館(パリ)での
大規模な個展を中心にル・シダネルの展覧会は近年ヨーロッパで
頻繁に開催されてきましたが、日本では国内コレクションの
常設展などで数点が展示されるに留まり、回顧展の開催が
長らく待たれていました。
本展はル・シダネルの曾孫で美術史家のヤン・ファリノー=
ル・シダネル氏の協力により油彩を中心に初期から晩年に
いたるまで、主にフランスの複数の美術館が所蔵する60余点で
構成され、その画業を本格的に紹介する日本では初めての回顧展です。
ル・シダネルの作品は、時代や文化を超えて観る者の郷愁を
優しく刺激する、普遍的な魅力と暖かさに溢れています。
身近なものを描いた彼の作品は、平凡な日々の生活の中に
あってもほっとする一瞬の「小さな幸せ」を感じさせてくれます。
今の時代においても新鮮な輝きに満ちたル・シダネルの作品を
どうぞご堪能ください。
(メルシャン軽井沢美術館サイトより転載)
アンリ・ル・シダネルの絵は、どれもホンワカとした雰囲気を
漂わせていて、彼はきっと、とても優しい人柄だったのだろうな、
と感じさせてくれます。
そして、ミストがかかったように、全体がぼんやりと霞んでいる
ところが、なんともいえなく神秘的で。。。
夜の家を描いたものは、どれも窓の部分に鮮やかなオレンジ色が
使われていたことが、なんだか印象に残りました。
家の中はおそらく、明るくそして温かく。。。
そこで家族みんなで楽しく過ごしているのだろうな、と想像してみたり。
東京に来た時、もう一度行ってみたいなと思ってしまうくらい
大満足の展覧会でした。
けれどももしかすると、軽井沢のあの美術館であの絵を観るという
体験が、私にとっては至福のひと時だったのかもしれません。。。
ここに載せた絵は、実は今回の展覧会では展示されていません
でしたが、とてもお気に入りなので。。。
ル・シダネルの絵は、今後も少しづつ、ここに飾っていきたいな。。。
と、思っています。。。
シューマン「月の夜」
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