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「書くこと」。。。のほかに、私にはもうひとつテーマがあります。。。
それは、「聴くこと」です。。。
ある日突然、頭の中にこんな声が聞こえてきました。。。
「Listen!」
これは、「聞く」ではなくて、「聴く」。。。ですよね。。。
これって一体何のことだろう?と思っていた時でした。。。
娘の付き合いで書店に行くことがあり、彼女の選ぶ本を一緒に眺めていたら、
近くにあった児童文学コーナーにあった、こんな本がふと目に留まりました。
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エンデの『果てしない物語』のお話はよく知っていましたが、『モモ』は、、、
小学生の頃から図書室でよく目にしていたものの、実は一度もマトモに
読んだことがなかったのでした。
いつか読もう。。。と気にかけながら、何年放置していたことか。。。
それでもあの時は、なぜか急に『モモ』が読みたくなり、当時高校生だった娘に、
学校の図書室で借りてきてもらったのです。
そしてそれを読んだ時も、「あぁ、そういうことだったのか。」と。。。
すごく納得することがありました。
モモは、町一番のヒーラーだったのです。。。
『モモ』の中には、こんなことが書いてありました。。。
でも、どうしてでしょう?
モモがものすごく頭がよくて、なにを相談されても、いい考えを
おしえてあげられたからでしょうか?
なぐさめてほしい人に、心にしみることばを言ってあげられたから
でしょうか?なにについても、賢明で正しい判断をくだせたからでしょうか?
ちがうのです。
こういうことについては、モモはほかの子とおなじ程度のことしか
できません。
するとモモには、どこかこう、人の心をほがらかにするようなところが
あったのでしょうか?
たとえば、とくべつ歌がじょうずだとか、なにかの楽器がうまいとか、
それとも、、、なにしろモモはサーカス場みたいな円形劇場に住んで
いるのですから、、、おどりだの、アクロバットの曲芸だのが
できたのでしょうか?
いいえ、それもちがいます。
ひょっとすると、魔法がつかえたのでしょうか?どんな悩みや苦労も
ふきはらえるような、不思議な呪文を知っていたのでしょうか?
手相を占うとか、未来を予言することが出来たのでしょうか?
これもあたっていません。
小さなモモにできたこと、それはほかでもありません、あいての話を
聞くことでした。なあんだ、そんなこと、とみなさんは言うでしょうね。
話を聞くことなんて、誰だってできるじゃないかって。
でもそれはまちがいです。
ほんとうに聞くことのできる人は、めったにいないものです。
そしてこの点でモモは、それこそほかには例のないすばらしい才能を
もっていたのです。
これを読んだ時、、、
頭の中に響いたあの、「Listen!」という一言の意味が、なんとなく解ったような
気がしたのでした。
その数日後、なぜかふと、こんな映画が観たくなりました。
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もう、ずっと昔に観た映画。。。
なぜ急にこの映画が観たくなったのかは解りませんでしたが、
とりあえずすぐに観てみました。
そうしたらまた、すごくピンとくるものがありました。
ブルース・ウィリスが演じていたカウンセラー。。。というか、児童心理学者は、
昔担当したひとりの少年に襲われてしまうのですが、その子がなぜ彼を
襲ったかといえばそれは、彼がその子の話を、ちゃんと「聴いて」いなかったからでした。
知識や過去の経験で物を判断してしまうこと。。。
これって誰でもよくやりがちなことで、今自分の目の前にあるものを、
そのまんまの形で見ることって、なかなか難しいのです。。。
あのカウンセラーの彼も、最初から判断せず、あの少年の話にちゃんと耳を傾けて
いれば、、、あの悲劇もきっと起きなかったのだろうなと。。。
あの時私は、、、そんなことを思ったのでした。。。
でも私があの映画から、そんなことを思ったのはひとえに、、、
「Listen!」
というあの言葉が、あの映画を観たくなる直前に聞こえてきていたからです。。。
これ、私にとって重要なメッセージなのだな。。。と、その一連の流れの中、
感じていました。
その数年後、ウイングメーカーのジェームズが、『Quantusum』という物語を
リリースしました。
その中に、「Zenith」という女性が登場するのですが。。。
彼女に関しては、個人的にあれこれと不思議すぎるシンクロが起きまくりで、
これは一体どういうことなのだろう?と思っていた矢先。。。
そこにあったある一文に、すべての意味を理解したような気がしました。。。
彼女は、たったひとりの「The one who listened」。。。
つまり、「聴いた者」だったのです。
そこでまた、「聴く」というキーワードが、、、
私の胸に深く刻まれていくことになりました。。。
その後、、、
いろいろな経験をする中で、すごく感じたことがありました。。。
私が相手の話を「聴く」ということに徹している時は、、、
様々な物事が、とてもスムーズに進むのです。
でも私にもやっぱりまだまだ、未熟なところがあり。。。
「あなたは私の話を全然聴こうとしないのに、なんで私ばっかり
延々とあなたの話を聴いて、それに合わせていなくちゃならないの?」
みたいなエゴが顔を出したりすると、どうもそこには、不穏な空気が流れがち。。。
そういうパターンを、男性相手に何度か繰り返したので、、、
いろいろと考えさせられました。
私の気持ちが、、、
「あなたの話を聴きたい」ではなく、「聴いてあげている、合わせてあげている」に
変化してしまった時、、、ギクシャクしてくるのです。。。
このあたり、、、
私もまだまだ、修行中。。。(苦笑)
昔から思っていました。。。
人は、「自分がちゃんと理解されているんだ、解ってもらえているんだ。」という
安心感を感じることさえできれば、その人の中にある自然治癒力が活性化されて、
自然に癒されていってしまうものなのだと。。。
そして、手取り足取りやってあげなくても、みんな、自分の足で立って
歩いて行けるものなのだと。。。
苦しい時、本当に必要なものは、「アドバイス」ではなく、「解ってくれたんだ」という
安心感なのではないのかと。。。
そのために自分に出来ることって何?と考えた時、それはきっと。。。
「聴くこと」
なのだろうな。。。と。。。
前の記事で書いた「書くこと」も、そしてこの「聴くこと」も。。。
よくよく考えてみれば、、、
この先にやっていきたいと思っている「ヒーラー」としてのお仕事にね。。。
深いところでは繋がっていたのだな。。。ということが、、、
最近になって、だんだんとはっきりしてきたような気がします。
物語を語ること。。。
そして、聴くこと。。。
私にとってヒーラーになるということは、、、
そういうことなのかもしれません。。。
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