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ケルトの他界思想

 03,2008 15:42
 聖ロナンのお話やイスの伝説を読むと、ケルトの歴史や宗教に興味のある
 方なら、なるほどぉ。。。と、思われるかもしれません。。。

 ケルト人達の元々の宗教は、ドルイド教です。
 アニミズムの精神と、そして、人は死んだら他界へ行きそこで新たな生が
 始まる。。。
 魂の不滅を信じる輪廻転生の思想。。。

 キリスト教の思想とは、ある意味対立しています。。。

 キリスト教は、魔女のお話でも触れたように、歴史の中、太古の神々を
 どんどん悪魔に変えていってしまいました。 
 けれど、ケルトの神々は、「妖精」というものに形を変え、今もその地に
 生き残ることが出来ました。

 それは。。。
 アイルランドにカトリックの布教を行った宣教師、聖パトリックのおかげだと
 言われています。。。

 彼は、もともとはブリテン島で生まれましたが、10代の頃、奴隷としてアイルランドに
 つれてこられ、そこで6年あまりを過ごしたあと、ようやく脱走。。。
 でも、アイルランドのことが忘れられず、宣教師として、再びアイルランドの地を
 踏むことになります。。。

 アイルランドで少年期を過ごした聖パトリックは、虐げられた貧しい人々の
 心の支えとなっていた土着信仰を。。。
 古くから伝わる伝説や神々の息吹を肌で感じていたので、それを完全に
 抹消してしまうことはせず、カトリックとドルイド教を、うまく融合させて
 いったそうです。。。

 今ではアイルランドの国花となっている「シャムロック」。。。
 これは、聖パトリックがシャムロックの三つ葉を使って、三位一体を説明して
 いたからなのだそうです。。。
 一本の茎で結ばれているそれぞれの葉が、父と子と精霊を表していると。。。


 20110409005920618.jpg


 そんな独特の雰囲気を持つケルトのカトリック。。。
 現地のドルイド教としっかり融合し、根づいていったキリスト教は、
 アイルランドで次々と聖人を生み出し、そんなケルトの聖人達が
 ブルターニュにもやってきました。
 そしてここでも、同じようにケルト風カトリックを広めていきました。。。


 ところで。。。
 ブルターニュのお話に出てくる女ドルイドのケバンや、王女ダユー。。。
 本当に悪人だったのでしょうか。。。


 ケルトびいきの私には、どうしてもそうは思えないのです。。。


 ふたつのお話は、やっぱりどこか脚色されたように感じますし、
 ダユーは。。。お母さんが海の妖精。。。
 海を、とても恋しがる。。。

 ダユーは、「アーエス」という名でも呼ばれますが、これは「善良な魔女」と
 いう意味なのだそうです。

 ダユーは死んではいません。。。
 水没したあとも、水の精、人魚となって今もなお、そこに生きつづけています。
 ダユーは、悪女ではなく、もしかするとケルトの女神だったのでは?
 ・・・というお話もあります。。。

 先ほどのお話ででた、ケルトの思想。。。輪廻転生。。。
 死んだら行くとされている楽園は、海の彼方にありました。
 
 ティル・ナ・ノグ。。。常若の国。。。
 イ・ブラゼル。。。至福の島。。。
 そして、テイル・テルンギリ。。。波の下の国。。。

 みんな海と関わりがある。。。

 ケルトの「他界」は永遠の若さと実りが保証された「楽園」として描かれます。
 
 こういった考えを持つケルト人だから、死を恐れない勇猛果敢な戦士として、
 あのカエサルを恐れさせたのかもしれませんね。。。
 そしてまた、この他界がキリスト教の「天国」の概念にも似ていることが、
 ケルト人が比較的すんなりとキリスト教を受け入れた理由の一つとなっている
 みたいです。

 そして。。。
 「他界」はまるきりの異世界ではなく、現世と陸続きであるとされていました。。。
 たとえば、妖精や小人たちは「他界」の住人で、二つの世界を自由に往来し、
 現世で人間の前に現れては遊んだりいたずらをすると信じられていました。。。

 また、妖精たちに限らず、人間でも特殊な能力を備えた者ならば、
 生きながらにして二つの世界を自由に往来できると信じられていたのです。。。

 「他界」とは死後の世界であるばかりか、現世と重なりあう。。。
 身近な存在でもあったようです。。。

 ケルト人にとって、もっとも身近な他界は「海」でした。。。
 他界の楽園は海の向こうで、海や川を越えなければ行けない場所であると
 されました。。。。

 海は母胎の象徴で、川はこの世と彼岸の境界の象徴です。。。。

 人が死ぬとその魂は現世と他界の境界を越え、母なる海へと還り生まれ変わる。。。
 海の向こうに豊饒の地「他界」があるのは、そうした考えを象徴的に示している。。。と
 そう言っている人もいます。。。


 ダユーは、人間と妖精の間に生まれた娘。。。
 他界と現世の狭間に生まれた存在でした。。。

 ダユーの母、海の妖精はもちろん他界の住人です。。。
 そして、こうした伝説においては、娘とは母親の生まれ変わりと同義になる
 そうなので、ダユーも母親と同類ということになります。
 
 つまりダユーは生まれながらにして他界の住人だったのです。。。

 ダユーがあんなにも海に憧れたのは、なぜなのでしょう。。。
 
 それは。。。
 他界への憧れだったのではないでしょうか。。。

 そして。。。
 その他界を支配するのはこうした「他界の女性」でした。。。

 ケルトの伝説には、美しい女たちの住む島の話がよく出てきます。
 イスの伝説の中にも、サン島の巫女のお話が登場しますね。。。 
 サン島の巫女達は、そこで古い宗教を守っている。。。

 古代ケルト社会は母権社会で、創造を司る存在として大地母神崇拝が広まっていて、
 他界はそうした女神の領域と考えられていたようです。。。


 もし。。。
 ダユーや女ドルイドのケバンが、こうした母権社会のケルト従来の宗教や文化を
 象徴していたとしたら。。。
 ロナンやゲレノという聖人達は、何を象徴しているのでしょう。。。


 こういったことを知って再びあのお話を読むと。。。
 また違った一面が見えてきたりしませんか?


 人魚の美しい声に誘われて、海に引きずり込まれた漁師達。。。
 彼らは死んだのではなく。。。
 もしかしたら。。。他界に行ったのかもしれませんね。。。


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